365 SS 11.9
寒いし具合が悪い、冬の部屋・・・。 と思ってたら、家族がガラガラと窓を開けている。 「ちょ、ちょっとお寒いよ!!やめて!!!」 「換気しないと身体に悪いわよ~」 「いやいや!!換気した方が身体に悪いわ!!風邪引きそう!」… もっと読む 365 SS 11.9
家族系のショートストーリーをまとめました。
記憶に残るような一瞬をイメージして書いた小説たち。内容は基本的にフィクションです。空き時間にもさっと読めるような短い文章で、家族系のショートストーリーをまとめました。家族をテーマにしたミニミニ小説、『家族』に関連する、家族系のショートストーリーをまとめました。
寒いし具合が悪い、冬の部屋・・・。 と思ってたら、家族がガラガラと窓を開けている。 「ちょ、ちょっとお寒いよ!!やめて!!!」 「換気しないと身体に悪いわよ~」 「いやいや!!換気した方が身体に悪いわ!!風邪引きそう!」… もっと読む 365 SS 11.9
「クルミ。……それは、小さな脳みそだ。」 いざクルミを食わんとしている時に横から嫌なナレーションが入って思わず、「食いづらっ!!」と叫んだ。
ズモモモモ。。。。。 「・・・出ない!!!!なんでっ?!」 「なに?うるさいわね」 「カイワレ大根の芽が出ない!!」 「はあ?芽なんて無いでしょ。こないだ食べたじゃない」 「え?!違う違う、出るの!芽!」 「えー?どうゆ… もっと読む 365 SS 9.18
「男女平等って考えた事無いなぁ」 「そもそも男女どころか、個人だって身長違うのに、平等とか言っても意味わかんないよね。」 平等。差別がなくみな一様に等しいこと。 男女が平等で無いと言うことは、『差別』なんだろうか。 男女… もっと読む 365 SS 8.26
「う~ん」 子供の自由研究に『箱でも作ったら』と簡単な気持ちで提案したのを手伝っている。 ただ箱を作るだけ。そうは言っても、これが案外むずかしい。 折り紙だと面白みに欠ける。 と言うわけで、展開図を作ってから箱を作るとい… もっと読む 365 SS 8.5
クロアゲハが自転車屋さんの室内に入っていって、店員さんが数回ジャンプして、外へ出そうとしているのが見えた。 ひらひらと店内を舞う黒い蝶々。 店員さんがほうきを持ってきて外へ追いやる 蝶々は、ひらひらと迷いながら、店内と外… もっと読む 365 SS 7.16
うだる暑さの夏。 エアコンを付けるとなんだか体調が良くないし、消すと5分と居られない。 結局またエアコンを付けて家の中。 何だかんだで家から出るのも億劫で、日が暮れるのを部屋で待ちつつスマホを弄る。 「みかんゼリーあるけ… もっと読む 365 SS 7.14
「パフェ食べないの?」 「いらない。」 「なんで?」 「もう入らないから」 「そこは別腹だろ〜」 「え〜。なに、食べて欲しいの?」 「べつに〜。あ、すいませーん」 そう言って頼んだパフェが、程なくしてテーブルへやって来た… もっと読む 365 SS 6.28
もしもガウディが日本に住んでいたらどんなものを作っただろう。 こちらは地震大国の日本。一方向こうは、地震が少ないスペイン。 ガウディだったらどんな風に設計したのだろう。ガウディだったら、ガウディだったら……。 『まーたガ… もっと読む 365 SS 6.25
「警察官は?」 「パブリックだねぇ」 「消防車は?」 「パブリックね」 「トイレは?!」 「パブリック!」 「じゃあごはんは?」 「うぅーん?パブリックかなぁ?プライベートかなぁ」 今日は『国際パブリックサービスデー』と… もっと読む 365 SS 6.23
梅雨特有のシトシト雨。 静かに優しく続く雨。 まるでこのままずっと永遠に続きそうなくらい、優しく静かに柔らかく降っている。 ほんの少し寂しいような。ほんの少し切ないような。 見下ろせば、カラフルな円がパッと咲いた。 雨の… もっと読む 365 SS 6.11
世界がどんどん狭くなっていく。見えてたものが見えなくなっていく。 気づけばいつの間にか、目が悪くなっているらしい。 「いい加減メガネ作りなよ~~」 話の流れで、ふいに娘にそう言われた。 「見えてるからいーんだよ」 目が悪… もっと読む 365 SS 6.7
森の匂いがする。 天気は晴天、カンカン照りのハズなのに、森の空気はどこか湿っている。 木々のお陰で影が出来ている。それは木漏れ日というよりもほぼ影の中。 向こうの方に見える光はまっすぐ森の中へと差し込んで、はらっぱらしい… もっと読む 365 SS 6.4
早過ぎない?!とママに言われたけど、早い方が良い。 「パパ、待ってよ!」 「ほらほら、おいでー」 「パパ早い!!」 「パパ!もうちょっとゆっくり走ってあげて!」 補助輪なしで自転車に乗れるようになったのが、ついこないだ。… もっと読む 365 SS 5.22
「だいたいこれが1メートルくらいだろ?」 「メートルってなに?」 「メートルはメートルだよ」 「よくわかんない!メートルってなに?」 「そうゆうもんなの!」 そう言ったら子供が拗ねてしまった。あからさまにぶちゃむくれた表… もっと読む 365 SS 5.20
小麦粉買ってきてくれる?と母にお使いを頼まれた私は、売場で困惑していた。 ・・・小麦粉。 帰りがけ母から連絡が来ていた。『小麦粉買ってきてくれる?』というメッセージに『OK』とスタンプを押して返事した。 スーパーに寄り、… もっと読む 365 SS 5.7
「絶対ぜったい、離さないでよ!!!」 わかった大丈夫、と言われてペダルを漕ぎ始める。補助輪のない自転車。カラフルでかわいい自転車。ちいさな膝当て肘当て、それからヘルメットはそれでも大きめで緩いせいかすぐにズレる。 「おと… もっと読む 365 SS 5.5
懐かしい匂いにつられるように床へ寝転んだ。 まだまだ青い、イグサの匂い。変えたばかりの新しい畳の匂い。 鼻から息を沢山吸い込む。期待のこもった溜息のように「は〜〜〜」口から吐いた。 それを2、3繰り返し、思い出したように… もっと読む 365 SS 4.29
まともに仕事もしないで毎日毎日フラフラほっつき回って相手を捩じ伏せて。 子供の面倒も見ずに、それが仕事だなんて言う。 「今日はパンしか無いわよ」 フラフラしてた旦那が帰ってきたから、わざとそんな風に言ってやった。 パンを… もっと読む 365 SS 4.27
凛とした音色の余韻が心地よく響いている。 仏壇の前に座ると、心を鎮める事が出来る。 チャッカマンでお線香に火をつけた。 ちょっと風情が無いけど、現実的にはこんなものだ。 四角い線香皿には幾重もの灰が重なり、砂のようになっ… もっと読む 365 SS 4.18
エレクトロなファンファーレから始まるミュージック。 暗闇から近づいてくる大きなパレード専用フロート車。 近年は家庭で一般化されつつあるLED電飾や発光ダイオード、光ファイバーや電球がキラキラ輝く。 噂によると最近の電球は… もっと読む 365 SS 4.15
「にこにこ、おかあさん。 にこにこ、わたし。 びっくりがお、おかあさん。 びっくりがお、わたし。 かなしいかお、おかあさん。 かなしいかお、わたし。 すまほみる、おかあさん。 おかあさんみる、わたし。 ちょっとまってね、… もっと読む 365 SS 4.3
「おはようございまーす!」 「はーい!いつもありがとうございます。斎藤さん、こっちきて」 「おっ、新人さんですかあ?」 「そうなんです。今日から。斎藤さん、ここにサインして。荷物受け取ったことある?」 斎藤「あ、っはい、… もっと読む 365 SS 3.6
部屋に入ると、まだ誰も住んだ事のない、新しい匂いがした。 嗅ぎ慣れない、ひと気のない匂い。 新しい壁紙と、フローリングと、ところどころ、まだ外されてないビニールの匂い。 天気の良い午後1時過ぎの太陽。まだ誰にも手をつけら… もっと読む 365 SS 3.4
「ばーちゃん、クッキーは~?」 しめっぽい下の戸棚を開けて見回す、タンスを見上げて手で探る。 「ん~?」 「クッキー!めずらしく無いの~?」 冷蔵庫の中を一応開けてみるけど無し。 「んなとこに入っとらんね」 「えー」 「… もっと読む 365 SS 2.28
福袋ラスト一個ぉお! セール開催中でーす 一万円相当が入った福袋が三千円で!! 買いに来た人も見物客も店員さんも、みんな大忙しで街は大騒ぎ! クリスマスに彩っていたページェントへの気持ちはどこへやら。ひょうたん揚げを食べ… もっと読む 365 SS 1.2
「お前、アレ買ったか」 父の言うアレとはアレだ。 毎年毎年口癖のように言う。 てゆうかもはや呪文。 あたしはいつも鬱陶しいと思って気持ちが悪くなる。 ろくに返事もせず無視した。 「おっ、コレもうまそうだな」 そして勝手に… もっと読む 365 SS 12.29
やかましい店主の口上に煽る客の声、張り上げる楽しそうな会話と押し寄せる人並みにまた流されそうになりながら、足を踏ん張る。 ひやりと冷たい空気が顔を掠めて耳が冷たい。手で掴んで温めると、キィンと音が聞こえるみたいにてのひら… もっと読む 365 SS 12.18