にこにこ、わたし。
びっくりがお、おかあさん。
びっくりがお、わたし。
かなしいかお、おかあさん。
かなしいかお、わたし。
すまほみる、おかあさん。
おかあさんみる、わたし。
ちょっとまってね、おかあさん。
ちょっとまつ、わたし。
にこにこおかあさんと、にこにこわたし。
にこにこ。
おしまい。」
絵本作ったの!と嬉しそうに私に読み聞かせてくれた。
児童センターで作ってきたらしい。
子供って、わたしが思ってないような事を思ってたりする。
でも時々気づかされる。
みんなの根っこは、やっぱり子供の時に考えてた事なんだろうなって。
子供の純粋で素直な言葉は、『そういえば自分もそうなんだなぁ』と思い知らされる。
ほんとは持ってるハズの感情をうまく感じ取れなくて、大人になるにつれて素直じゃなくなって行くんだなぁって。
「今日は何が良い?」
「はらぺこあおむし!」
たくさんたくさん読んであげよう。
この子はきっと、物語じゃなくて、私と一緒に居たいだけなんだ。
当たり前だけど忘れちゃうこと。
忘れがちだけど大事なこと。
心の根っこにある本当の気持ち。
「日曜の朝に産まれた、はらぺこあおむし…」
そうしておかあさんは、あなたのおかげで素直になれるのでした。
おしまい。
フラッシュ・フィクション。4月3日は読み聞かせの日。ショートショート(ショートストーリー)毎日『今日は何の日?』をテーマに書いています。–たくさんたくさん読んであげよう。この子はきっと、物語じゃなくて、私と一緒に居たいだけなんだ。おかあさんは、あなたのおかげで素直になれるのでした。おしまい。