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365日ぶんの、フラッシュ・フィクションたち。

365 SS 12.26

美しくて透き通る、四角くかたどられた寒天は、見た目が涼やかで綺麗。

「お砂糖をいれたら甘味になるし、お醤油を垂らしてお茶請けにも。お味噌汁に入れたら具になるし、餡子を詰めたら重くもなる。豆乳で割って、小豆寒天なんかでも、小鉢にいれたらおもてなし。」

最近は『ゼリー』がよく使われているから、寒天が使われることは少ないのよ、と嘆く。

「ゼリーは動物性、コラーゲンでしょう。寒天は海藻だから植物性。寒天は歯ごたえがあるって思われるけど、ふるふるで柔らかくすることも出来るのよ。」

小さなお店のお台所で、テングサを煮る。

ひとむかし前ならよく見かける光景だったかもしれない、最近は、随分減ったように思う。

手間が掛かりそうなものにほど、風情を感じてしまうのは日本人ならではか。

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12月26日は寒天発祥の日!寒天発祥の日をテーマに書いたフラッシュ・フィクション。毎日『今日は何の日?』をテーマにショートショート書いています。–

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テーマの著者 Anders Norén