365 SS 9.15
歯に挟まってる気がする。 「……あ、そうだよねー、わかるー」 と相槌を打ちつつ気になる歯茎。 「あ、うん。あーそうそう…」 と相槌を打ちつつ気になる歯茎。 「……」 やっぱ気になる歯茎。 「……聞いてる?」 「あっ!聞い… もっと読む 365 SS 9.15
記憶に残るような一瞬をイメージして小説を書いています。内容は基本的に全てフィクションです。空き時間にもさっと読めるような、短い文章での物語。
恋愛系のショートストーリーをまとめました。
恋愛をテーマにしたミニミニ小説、あるいは『恋愛』に関連するショートストーリーたちです。
歯に挟まってる気がする。 「……あ、そうだよねー、わかるー」 と相槌を打ちつつ気になる歯茎。 「あ、うん。あーそうそう…」 と相槌を打ちつつ気になる歯茎。 「……」 やっぱ気になる歯茎。 「……聞いてる?」 「あっ!聞い… もっと読む 365 SS 9.15
「そろそろ私も将来のこと考えようと思ってさ…」 彼女からのそんな一言で別れを切り出された事に気がついた。 「なに急に?」 「急じゃなくて。前から考えてたんだよ」 「でも俺には言ってなかったじゃん」 「中途半端な気持ちでは… もっと読む 365 SS 9.14
「マテ茶だけど?」 何飲んでるの?と聞かれてペットボトルのラベルを見せた。 〝太陽のマテ茶〟のキャッチコピーが南国色してる。 「なにマテ茶って?」 「え?知らないけど。なんか体に良いんじゃ無い?」 「解んないのに飲んでん… もっと読む 365 SS 9.1
飲みに行こうよと誘われて、いつも私は快諾する。 「俺けっこうお前の事好きだかんね」 「はいはい」 「あ!おい聞いてんのかよ!」 「聞いてる聞いてる~」 ジンベースのカクテル、『ギムレット』。カクテル言葉は『遠い人を想う、… もっと読む 365 SS 8.24
かき氷の日 んべ、と見せてきたその青い舌に照れた 『見せてよー!』と言われたけど恥ずかしくて見せられなかった。 赤いベロがますます赤くなった気がして、氷がますます早く溶けた気がした。 End.
カランコロン、夜風に響く音。 大股で歩けず小股で歩いてカランコロン、ときどきつまづいてカランコロン。 男も女もカランコロン。 夏の夜風にカランコロン。 涼しげな浴衣の足元でカランコロン。 鼻緒に指の股を痛めてカランコロン… もっと読む 365 SS 7.22
『ハンバーガー』を見ながら一口、かじりついた。 恐らくこれはポークとビーフの合挽き肉。 アメリカじゃビーフ100%しか『ハンバーガー』とは呼ばないんだよな。 「おいしいね、ハンバーガー!」 だけど君が嬉しそうだから、「そ… もっと読む 365 SS 7.20
7月7日のデートのプランは完璧だ。 ゆかたを着て、彼女はポニーテールで、昼食は竹を使った本格派の流しそうめん。 そのあとデパートに行って涼みながら、彼女に『何かほしいモノある?』ってショッピングしながらプレゼントを選ぶ。… もっと読む 365 SS 7.7
差し出したソフトクリームに、躊躇無くかぶりついてくれるから夏の海は最高だ。 梅雨明けしたばかりの暑い日。複数人のグループで海に来た。 海開きはまだ先だけど、気持ちが良いからと皆を誘って。 普段なら誘っても来ない君が、二つ… もっと読む 365 SS 7.3
回れ回れメリーゴーランド,女性を抱きしめ上げる男性、そのままくるくる回って、男性が上を向いて彼女へキス。 響くピアノのメロディー。キレイな旋律。繊細で強くて優しい音。アメリカチックな、まだ真新しい斬新なリズム。 染み入る… もっと読む 365 SS 6.19
「1日350グラム以上の野菜と200グラムの果物!!」 「いやそんなの無理でしょうよ」 健康食品好き・・・と言うか、健康オタクな彼女がまたそんな事を言っている。 「無理じゃ無いって~!」 「そんなのいちいち気にしてるほう… もっと読む 365 SS 5.31
健康食品好きの彼女が、また妙なモノにハマったらしい。 「・・・なんだって?」 『だからアーモンドミルク!駅前のコンビニに売ってるから』 「アーモンドミルクぅ?」 そんなもの全然見当たらないし想像もつかない。ヒントが少なす… もっと読む 365 SS 5.30
「幸福って何だと思う?」 「え?化学?」 「ちゃうわ!!」 「幸福って言われるとつい……」 「たしかに……。なんだかんだで私も最初に思い浮かんだのソレだった……」 「ほらね?そう考えると、大成功やな」 「言えてる……。罪… もっと読む 365 SS 5.29
「忘らるる 身をば思はず ちかひてし 人の命の 惜しくもあるかな」 「え?」 空を見ながら突然彼女がそんな事を言った。 彼女、いや、今となっては、もう元彼女か。 「……な、なに?575?」 「百人一首だよ」 「百人一首?… もっと読む 365 SS 5.27
今日は久々に暑い日となった。 春が過ぎて初夏、まだ気温が安定しなくて寒かったり暑かったりの日々。 全国的に夏日らしい。ここ東京も例に漏れず、最高29度という暑い日だ。 「あっつ~」 そう呟きながら彼女は今日もヨーグルトを… もっと読む 365 SS 5.15
暑い日差しの中で彼女が見上げたペットボトルの先から滴った水滴 透き通った薄紅色の液体が、揺らされた振動で波打った。 ごく、っとこちらまで聞こえてきそうな潔い飲みっぷりに見惚れる 小さな喉仏が何度か揺れて、ググッとペットボ… もっと読む 365 SS 5.12
苦いモノはあんまり好きじゃない。 『体に良いから買っちゃった』らしいゴーヤで調理されたチャンプルー。 ところでチャンプルーってどーゆう意味だ? お互い沖縄出身でも無いから良く分からない。 わからないまま出されたゴーヤチャ… もっと読む 365 SS 5.8
「なんか面白い番組ないね〜」 振り返ると彼女がリモコンを持っていた。明るい笑い声が響く。画面のテンションが9回切り替わる。 既視感のある画面が現れ始めたところで、ブツンと画面が真っ暗になった。 「だからお前は!消すなっつ… もっと読む 365 SS 4.21
雨の日の博物館は空いている。 時々通り過ぎるお客さんを見守りながら定位置に居るのが自分の仕事。 ガラスに映る大きな恐竜の標本を見ながら、昼に何を食べるか考える。 食堂にあるカレー、それとも外にある蕎麦屋、牛丼、天丼。 窓… もっと読む 365 SS 4.17
「白いと言ったら、」 続きが言えなくて言葉に詰まってゲームに負けた。罰ゲームはデコピン。 順番に4人にデコピンされていく、 あの子もデコピンに加わって、俺のオデコへバチンと当てる。 「いっ、ってぇえええ、」 思いのほかデ… もっと読む 365 SS 4.6
そんなにもあなたはレモンを待っていたーーー 道端に転がるひとつのレモンを見て思い出した。 『レモン哀歌』高村光太郎の詩だ。 男性というのは、とかく女性に想いを馳せがち。女のために頑張りがち。女を美化しすぎ。 女遊びの激し… もっと読む 365 SS 4.2
あの日の出来事が忘れられない— 煌々と燃える家を見上げる。空へ空へと伸びる炎が轟々と音を立てながら、灰色の煙が天へと昇って行く 何かが弾ける音と軋む音が聞こえる 目の前の炎が迫ってくるような感覚 顔の表面だけがやけに… もっと読む 365 SS 3.29
『タロとジロです!奇跡の生還です!!』 古い映像がLED画面に映し出されている。 音声はプツプツとノイズが混ざって、右下には当時の日付なのか番組名が入っているのかモザイクが掛けられていて読み取れない。 画面が切り替わって… もっと読む 365 SS 1.14
やかましい店主の口上に煽る客の声、張り上げる楽しそうな会話と押し寄せる人並みにまた流されそうになりながら、足を踏ん張る。 ひやりと冷たい空気が顔を掠めて耳が冷たい。手で掴んで温めると、キィンと音が聞こえるみたいにてのひら… もっと読む 365 SS 12.18
ぼくのアロエベラ ぱくり、口の中へ吸い込まれていく柔らかい白いものにどきりとして目を逸らした。 そんな事を知らずに2口目。3口目で再びそれを見た。 紅い唇に はむっと食されていく白い物体。 見られているとも知らずに4口目… もっと読む 365 SS 12.10