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365日ぶんの、フラッシュ・フィクションたち。

365 SS 4.21

「なんか面白い番組ないね〜」

振り返ると彼女がリモコンを持っていた。明るい笑い声が響く。画面のテンションが9回切り替わる。
既視感のある画面が現れ始めたところで、ブツンと画面が真っ暗になった。

「だからお前は!消すなっつの!」
「えっ?みてたの?」
「みてたわ!」
「あ、そーなんだごめん。もう出掛けるかと思って」

イラッとした衝動に駆られつつ、再びテレビを付けた。見たいのはNHK。

「ほんと好きだよね~」

背後から呆れたような彼女の声。「お前も好きだろ」

「え~~?!ぜんっぜん好きじゃ無いよ!」
「はあ?いっつもバラエティ見てるだろ。」
「えー?!そりゃバラエティだもん!キミは、いっつもNHKばっかじゃん!」
「NHKは面白いぞ」
「面白くないよ!な~んか暗い番組ばっかさぁ~~」
「それはただのイメージだろ。色んな情報が知れて良いんだよ」
「え~~。なに、例えば?楽しい情報にしてよ」
「たとえば・・・、」

そこまで言って、ふと思い出してしまった。「・・・いいよ。お前にリモコンやるよ」

「え?なんで」
「べつに」
「え~~~なになに?!気持ち悪いんですけど~~?!」

クッ・・・。

気持ち悪いとか、軽く言いやがって・・・

「えーなに?もしかして怒った?」
「怒ってないよ」
「えー嘘でしょ?」
「……いや……」

今日は『民間放送の日』だ。
それも、知ったのはコイツがあまり興味を示さない『面白くない』新聞で知ったのだ。

「・・・好きだよ?」
「はいはいはい。」

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4月21日は民放の日!民放の日をテーマに書いたフラッシュ・フィクション。毎日『今日は何の日?』をテーマにショートショート書いています。–

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