365文

365日ぶんの、フラッシュ・フィクションたち。

365 SS 9.1

「マテ茶だけど?」

何飲んでるの?と聞かれてペットボトルのラベルを見せた。

〝太陽のマテ茶〟のキャッチコピーが南国色してる。

「なにマテ茶って?」
「え?知らないけど。なんか体に良いんじゃ無い?」
「解んないのに飲んでんの?」
「ん?いや解るよ。なんかインドネシア系じゃん?」
「なにそのインドネシア系ってのは」
「えーだからぁ、なんか南国なんじゃん?」

そう答えると、おもむろにスマホを弄り始める。
でたでた。無視か。いや、これはググり魔か?

「ポリフェノールが少ない。飲みやすいって書いてある」
「え?あー、確かにそんな味するかも?」
「そんな味って何?」
「え?ポリフェノールが少ないっぽい味?」
「・・・。」

彼氏はムッとしたようにしかめっ面をする。

「だって何か味で解るもん」
「んなわけないだろ」
「いや解るってー」
「解るか!」
「飲んでみる?」
「いい。遠慮しとく。」

飲んでみた方がよっぽど解ると思うけどなー。

そう言いながら飲んでみせる。結局彼氏は飲んでみたけど、解らなかったようだ。

「・・・。」

彼氏はムッとしたようにしかめっ面をした。

End.

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テーマの著者 Anders Norén