365文

365日ぶんの、フラッシュ・フィクションたち。

タッキーがこれから導いていくであろう未来の片鱗を、滝沢歌舞伎ZEROの中に見た気がした

※ネタバレあり。

ポクポクポク、ちーん。

遺影を持つ『お丸』こと女装した男の子がコミカルな演技で泣きじゃくる。

時々冗談を交えながら、泣いたと思ったら急に列に並ぶ親族に話しかけたり。

『ネズミさんの・・・』ネズミこと『鼠小僧』というキャラクターのお葬式から始まった。

その『鼠小僧』役を例年では『タッキー』がやっていたという知識はあった。

・・・ああ、タッキーが今回は出ない。そういえばタッキーは芸能界を引退したんだった。

そんなふうに思った。

事前知識がほぼ無い状態で見た私でもそれぐらいは理解できた。

そこから、滝沢歌舞伎が始まっていく。

何せ初めて見たってこともあって、ただ進んでいく流れを見ていた。

ジャニーズジュニアのSnow Man(すのーまん)というグループに興味を持って、先日テレビで放送していた『Ride On Time』という番組を見た。

Ride On Timeという番組の中で紹介される『滝沢歌舞伎ZERO』、そして『Snow Man』のメンバーたち。
その番組を見たものの、滝沢歌舞伎がいったいどんなものなのか、正直あんまりよく解っていなかった。

なんか裸で太鼓をたたくやつとかやるっぽい。Snow Manが歌ったり踊ったりするらしい。

それぐらいの知識しかなかった。ジャニーズにそこまで興味が無く、あの番組を見ただけの人だったら、恐らくそれぐらいしか解らなかったんじゃないかと思う。

ただ、そこに、『ジャニーズJr.』と『Snow Man』の一生懸命さは伝わってきた。

どんどん進んで行く滝沢歌舞伎ZEROを見つめながら、少しずつ理解していく。

鼠小僧は町のヒーローだった。

町のヒーローがいなくなって、悪党たちがはびこりはじめた。

悪党たちがこわくて、夜も気軽に出歩けない。

ーーーーそこで悪党として出てきた3人。その役をやっていたのが、Snow Manに増員されたばかりの新メンバー3人だった。

・・・ああ、今までいなかったメンバー3人だから、悪党っていう配役にしたんだな。そんなふうに思った。

ただ、悪党同士にも何かありそうだ。悪党といえども一致団結しているわけでは無いようだった。

『妹・小春の悲劇をもう繰り返したくないだけだ』悪党のうちのひとりが言う。自分がやっていることが果たして正義なのか悪なのか判断がつけられないらしい。

悪党なりに迷いがあるらしかった。他の悪党が『何をなまっちょろいことを!』と怒る。『できなければ、おまえも斬る』いまにも一触即発状態。

ーーーー悪党の勢力が増していく日々。誰か鼠小僧の代わりにヒーローになってくれないか。町の人々は新たなヒーロー誕生を望んでいる。

『笑いあり、涙なし』それが鼠小僧がよく言っていた言葉らしい。

今のままでは、笑いなし、涙ばかりになってしまう。

『新吉さんなら、鼠小僧の代わりにヒーローになれる。あと必要なのは勇気だけ。みんなで協力して、新吉さんをヒーローにしよう』

町の意見は総意でも、新吉本人は迷っているようだ。

・・・ああ、これはSnow Manそのものの話なんだ。そんな風に気づいた。

場面だいぶ飛んで。

オチを言ってしまおう。

悪党のうち、ずっと迷っていた一人が、最後の最後、あと一歩で新吉さんがやられそうになった時に寝返り、新吉さんを助けた。

寝返った悪党のセリフが忘れられない。

『鼠小僧の夢、俺も乗ったあああああ!!!!』

タッキーの夢ってなんだろう。そのとき、ふと私はそんなことを考えた。

引退したタッキー。裏方に回ることに決めたタッキー。技術を披露する場を貰えずにいるジャニーズJr.たち。

6人で7年もやってきたSnow Manというグループに突然加入した3人。

タッキーのいない『滝沢歌舞伎ZERO』。

葬式のシーンから始まるストーリー。

・・・ああ、これは、Snow Manというグループが、タッキーの夢に乗ったことを示しているんだ。そんな風に思った。

★ここからカオスな感想
(※一度しか見てないので、細かい部分は間違っているかもしれない。)

書きたいところから書いたので葬式のシーンから書き始めたが、このエンターテイメントショーはどうやら2部構成らしい。(多分)

冒頭、桜の花びらが天井から振り落ちてきて、桜の中から飛び出すように9人(新体制のSnow Man)が現れる。

桃色に染まるステージの中で、何かに迫られるような気迫を感じた。それは焦りなのかもしれないし、懸命さなのかもしれない。

ただ、何かは解らないけど、とにかく何かを感じた。おそらく一筋縄ではいかない、たくさんの感情が混じり合った想いなんだろう。

ジャニーズJr.のチャンネルがYouTubeに作られた時は本当に驚いた。

私がジャニーズのグループを好きになってから、もう十年ぐらいになるのだが(怖い!)、長年知っている身としてはジャニーズはある種『お役所』に似た構造になっていると時々思う。

簡単に説明すると『時代に乗り切れてない』ということなのだが、なにせファンクラブの会員数だけで大企業より多い人数を管理する必要があるので仕方がないことだとは思う。

そんなジャニーズからYouTube。著作権でも厳しいあの事務所が、と考えると驚きばかりだ。

その新たな試みを始めたのが『ジャニーズJr.』であり、つまりタッキーということにもなるんだろう。

もちろん100パーセントの権限をタッキーが握っているとは思わないが(ふつうの会社員として考えても、そんなことは不可能だろう)(ましてや若手の社長)、タッキーが鍵を握っていることは間違いないと思う。

あたらしい試みを始めるとき、ほとんどの人は反発するものだと思う。

『保守』と『改革』では、はるかに保守するほうがラクだろう。

前例があるものを改善していくのは簡単だ。

改革は今まで作り上げてきたものを壊す必要があるから、その大変さは想像を絶するだろう。

タッキーが先導する島の未来はどうなるんだろうか。

同じく、長年やってきたタッキーの『愛・革命』という舞台がある。

私は『愛・革命』も今まで見たことがなく、名前ばかりしか知らないのだが、『改革』という言葉が脳裏によぎったと同時に『愛・革命』という単語も彷彿とした。

タッキーの島がこれからどうなるかは解らないけど、それが『愛』から始まったものであれば、人対人としての大切なものを見失うことはないと思った。

結局のところ人は感情で動くものであり、心を揺さぶられたいと欲求が深部にあると思う。

滝沢歌舞伎のエンディング、客席に舞い落ちてくる大量の小判に驚かされながら、わっと驚くような未来をこれから期待したいと思った。

タッキーがこれから導いていくであろう未来の片鱗を、滝沢歌舞伎ZEROの中に見た気がした。

おわり!

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