365 SS 5.21
バーカバーカ! そう言われてどうしても悔しくって泣いた。 今になってみればどんな理由だったか覚えてない。 いつもその男の子に意地悪をされた。 髪を伸ばせば引っ張られるし、切ったら切ったで変だと言われる。 大事にしてたイチ… もっと読む 365 SS 5.21
バーカバーカ! そう言われてどうしても悔しくって泣いた。 今になってみればどんな理由だったか覚えてない。 いつもその男の子に意地悪をされた。 髪を伸ばせば引っ張られるし、切ったら切ったで変だと言われる。 大事にしてたイチ… もっと読む 365 SS 5.21
小さなちいさな世界が好きだった。 並べて眺めるのが好きだった。 どんなふうにソレが出来てるのか、作り方を知るのも楽しかった。 例えばフランス語っぽい小さなラベルが張られた、グリーン色したボトル。 たとえば生クリームのヒダ… もっと読む 365 SS 3.2
噛み締めた感触は、むぎゅりと歯に触る弾力。 ようやくおにぎりを口に含んだ。 砂のような口内に、ほんの少し、お米の甘みを感じた。 世界は今日も朝を迎えてて、いつもと変わらずなんでもない日を過ごす73億人。 シンクの下に眠っ… もっと読む 365 SS 1.17
福袋ラスト一個ぉお! セール開催中でーす 一万円相当が入った福袋が三千円で!! 買いに来た人も見物客も店員さんも、みんな大忙しで街は大騒ぎ! クリスマスに彩っていたページェントへの気持ちはどこへやら。ひょうたん揚げを食べ… もっと読む 365 SS 1.2
「南極って……いつもこんな、寒いんですか?」 受け取ったカップで指先を温めながら問いかけた。呂律も凍ってしまいそうな極寒。 「……今日は、あったかい方だけど」 チラリと目線を上げるもんだから目が合った。ハッキリ意思を伝え… もっと読む 365 SS 12.14
キーーーン、 髪も服もはためき持って行かれそうになって、慌てて鞄を抱きしめた。 上空を通り過ぎる轟音に釣られるように空を見上げる。 色白の高い空は冬を表している 耳鳴りが少しずつ遠くなっていって、やがて着陸するんだろう。… もっと読む 365 SS 12.7