「お腹空いた……」
すこぶる体調が悪い。
ときどきこうゆう日がある。
たぶん気圧とかのせい。
体調がよくない、身体がだるい、動きたくない。
だけど人間。生きてる限り腹は減る。
重い腰を上げてどうにかキッチンへ。重たい腰を片手で支えつつ、冷蔵庫を開けてみた。
「なにもない……」
うん。まぁ、わかっていた。なにもないよな。
だってこの家の主は私。
誰よりもこの家の事は解っている。
「え~~~~っと、なんかない……かな……」
そうはいっても腹は減る。何か食べ物はないか、と普段あけないシンクの下を開けてみた。
そこには3個積まれた缶詰。何かあった時用の非常食だ。
「……。」
なんだろ、と思いつつ座り込む。みっつとも同じ柄なので同じ缶詰。
缶を持ち上げてみると、魚の缶詰だった。
『佃煮』と書いてある。
「つくだ煮、ねぇ……。」
外に出るのがどうしても面倒で、しぶしぶそれを食べることにした。
うどんの乾麺があったので似てみる。
おかずとして魚の佃煮。
「……うまいな!!!」
久々に食べると案外うまい。
忘れたころにその存在に気が付く。
体のだるさと空腹から私を救った魚の佃煮。
……しばらく『佃煮ブーム』が自分に起こったことは、友人達にはあんまり大きな声では言えない。(笑)
(だってみんな佃煮って食べないもんねぇ。うまいのに!!)
6月29日は佃煮の日!佃煮の日をテーマに書いたフラッシュ・フィクション。毎日『今日は何の日?』をテーマにショートショート書いています。–