365文

365日ぶんの、フラッシュ・フィクションたち。

365 SS 6.29

「お腹空いた……」

すこぶる体調が悪い。

ときどきこうゆう日がある。

たぶん気圧とかのせい。

体調がよくない、身体がだるい、動きたくない。

だけど人間。生きてる限り腹は減る。

重い腰を上げてどうにかキッチンへ。重たい腰を片手で支えつつ、冷蔵庫を開けてみた。

「なにもない……」

うん。まぁ、わかっていた。なにもないよな。

だってこの家の主は私。

誰よりもこの家の事は解っている。

「え~~~~っと、なんかない……かな……」

そうはいっても腹は減る。何か食べ物はないか、と普段あけないシンクの下を開けてみた。

そこには3個積まれた缶詰。何かあった時用の非常食だ。

「……。」

なんだろ、と思いつつ座り込む。みっつとも同じ柄なので同じ缶詰。

缶を持ち上げてみると、魚の缶詰だった。

『佃煮』と書いてある。

「つくだ煮、ねぇ……。」

外に出るのがどうしても面倒で、しぶしぶそれを食べることにした。

うどんの乾麺があったので似てみる。

おかずとして魚の佃煮。

「……うまいな!!!」

久々に食べると案外うまい。

忘れたころにその存在に気が付く。

体のだるさと空腹から私を救った魚の佃煮。

……しばらく『佃煮ブーム』が自分に起こったことは、友人達にはあんまり大きな声では言えない。(笑)

(だってみんな佃煮って食べないもんねぇ。うまいのに!!)

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6月29日は佃煮の日!佃煮の日をテーマに書いたフラッシュ・フィクション。毎日『今日は何の日?』をテーマにショートショート書いています。–

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