もしもガウディが日本に住んでいたらどんなものを作っただろう。
こちらは地震大国の日本。一方向こうは、地震が少ないスペイン。
ガウディだったらどんな風に設計したのだろう。ガウディだったら、ガウディだったら……。
『まーたガウディ?とっくの昔に死んだ人より、生きてる人に目を向けたら?』
自分はしがないサラリーマンの建築家。だけどやっぱりガウディは大好きだ。
未完の設計図を遺した建築物は、今なお作り続けられている。
『サクラダファミリアは2026年に完成予定らしい』
『まだ10年もかかるの?大変ねぇ』
『お前、ちゃんと休暇取れるようにしておけよ。』
『えっ、まさか行くの?』
『当然だろ』
『10年後なんて……もっと先に伸びるんじゃないの』
そしたらまた、ガウディの事を考えるだけさ。
『そうかもな』
未完の設計図の続きを沢山の人が夢見てる。誰かの心の中で、夢を作り続けている。ガウディは今なお、生き続けている。
『いつになるんだか』
そう言って妻は笑った。
きっと妻の心にも、ガウディが来たのだろう。
End.