365 SS 6.14

「なに食べてるの？」
「てば～」
「てば……？」
「てば。手羽先！」
「てばさき？」
「うん～。え？知らん？」
「知らん……」
「え？うそうそうそ、てば食べん？」
「てば、たべん」
「え～～～～～うっそ～～～～ほんまに？！信じられん！じゃあいつも何食べてんの？」
「え？？からあげとか？」
「からあげ！え～～～いやいや、運動会とかぁ！」
「う、運動会？？」
「ほんまに～～～～～？？名古屋だと普通やん～～～」
「そうなんだ」
「え～～～こっちは食べんやん？そかぁ～～」

親の転勤で東北に来た子。だいぶ仲良くなったけど、わたしよりも相手のほうがよっぽど饒舌でおしゃべりだ。

「てか訛ってたりしないん？こっち～」
「えーー、いや、私は親が東京の方で……」
「あ。そ～なん～～？なんかウチだけ嫌ぁ～」

そうかぁ。訛りが恥ずかしいのかなぁ。

「でも、訛りカワイイよね」
「え～～～？！うそほんま？！何も出んでぇ！！」

ケラケラ笑う子。このへんだとあんまりいない感じ。あっけらかんとしてて、あけっぴろげで、素直で、カワイイ。

訛りなんてダサいと思ってたけど、カワイイ訛りもあるんだなぁ、なんて思った。

「てば食べる～？」
「うん。」
「あ～～～食べ方！！ほんまに食べたことないん～～？！」
「ないけど……」

なんか不思議な感じだけど、なんか、意外と性格は合うかもしれない。