365文

365日ぶんの、フラッシュ・フィクションたち。

365 SS 5.28

カァン…、そんな音が大気に響いて皆空を見上げた。

太陽の眩しさに目を細めて弧を描く小さなボールを懸命に追う。

日照りがジリジリと暑くて、空気は緑と雨上がり太陽の匂いがする。

その時風が吹いた。

木々の枝も芝をも揺らす。

天空に舞う小さなボールが、風に煽られて東へと。

「ッッファーーーーーー!!!」

前から言ってみたかったセリフを全力で叫んだら、隣にいた部長に頭を叩かれた。

笑い声と共に視界に入ったのは、ジャンプしたカエル。

キラリと青空が反射して、カエルの背中が光った。

ゲコゲコッ

喉を大きく揺らしてそう言った気がした。

「ゲロゲロ!」

つられて俺が声に出したら、なぜかまた部長に叩かれた。

End.

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テーマの著者 Anders Norén