カァン…、そんな音が大気に響いて皆空を見上げた。
太陽の眩しさに目を細めて弧を描く小さなボールを懸命に追う。
日照りがジリジリと暑くて、空気は緑と雨上がり太陽の匂いがする。
その時風が吹いた。
木々の枝も芝をも揺らす。
天空に舞う小さなボールが、風に煽られて東へと。
「ッッファーーーーーー!!!」
前から言ってみたかったセリフを全力で叫んだら、隣にいた部長に頭を叩かれた。
笑い声と共に視界に入ったのは、ジャンプしたカエル。
キラリと青空が反射して、カエルの背中が光った。
ゲコゲコッ
喉を大きく揺らしてそう言った気がした。
「ゲロゲロ!」
つられて俺が声に出したら、なぜかまた部長に叩かれた。
End.