365 SS 4.25

「先輩!初任給、何に使いました?!」 弾.

「先輩!初任給、何に使いました?!」

弾けんばかりのテンションで聞かれた。

あぁ、若いなぁ。キラキラしてて眩しい。私も昔はそんなだったかな、なんて考えた。

「えーと、初任給?何に使ったっけな……。」

「えっ覚えてないんですか?!」

「えー、うん。初任給って言っても、その前にバイトしてた事があるからなー。初給料では無いんだよね〜」

「いやいやいや!それはバイトじゃないっすかあ!」

「バイトした事ある?きみ」

「ないっす!」

「でしょうねえ〜」

そう返すけど、ワクワクが止まらない様子の新人くん。

「初任給っすよ!何に使おうかな〜!ようやくこれで俺も、大人の仲間入りっすね!」

「ほ〜」

今日は初の給料日らしい。

私の初任給は何に使ったっけなぁ。

親に何か買ってあげようとしたら、たしか、『あたしは良いから、自分のために使いなさい』って言われちゃって、結局、思い出に残るような使い方なんてしてないんだよなあ。

「先輩!」

ふと横を見ると、新人くん。通帳を見ながらなんだか悲しそう。
あっと言う間にATMへ行って、初任給を通帳に書き込んで来たらしい。

「どうしたの?」

「初任給が……もう減ってました……」

「え?もう?なんで?」

「家賃がすでに引き落とされてて……。そう言えば、自動引き落としにしてました……」

そう言って、がっくり肩を落とす新人くん。

通帳で大きな額を見たかったのに、早速減っててガッカリしたようだ。

「……ようやく大人の仲間入りだね。」

そう声をかけたら、

「大人になるってツライっすね……」

なんて言うから笑ってしまった。

新人君は、社会の厳しさを早速知ったようだ。

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4月25日は初任給の日!初任給の日をテーマに書いたフラッシュ・フィクション。毎日『今日は何の日?』をテーマにショートショート書いています。--