赤い箱を乗せたバイクが二つ、連れ立ち赤信号で待機している。
先頭に止まっているバイクの運転手が後ろへ振り返り、にこやかに話しかける。
後ろのバイクの運転手は初々しい表示で笑った。
2人とも紺色にラインが入った制服。白のヘルメットを身につけている。
「よし、このへんで一旦とまろう!」
先頭のバイクか止まる、後ろをついていたバイクも同様に止まると、大きめの声で振り返った。
「どう?大丈夫だった?」
「あ、はい……」
「はっはっ、緊張してる?」
「はい。原チャは良く乗ってるんですけどね、なんか気持ちが全然違って」
「まぁ大丈夫、すぐ慣れるから。このあたりが担当の場所ね。じゃあ早速、配達して」
「はい!……あれ、なんか見慣れない切手ですね」
早速手に取ったハガキ。見慣れない切手に新人は驚いたようだ。手慣れた上司は笑った。
「朝礼ちゃんと聞いてなかったろ?」
「えっ?」
「今日は郵政記念日、今日から切手習慣だぞ」
「あー、そう言えば聞いたかも……」
上司は新人の肩をポンと叩く。
「まぁまぁ、とりあえずこれからやってこーや。」
上司のゆるい笑顔に、新人は口角を上げる
「はい!」
やってやるぞと、新人は意気込んだ。
4月20日は郵政記念日!郵政記念日をテーマに書いたフラッシュ・フィクション。毎日『今日は何の日?』をテーマにショートショート書いています。–