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365日ぶんの、フラッシュ・フィクションたち。

365 SS 1.14②

ぱちぱちと、木々や枯れ葉や正月飾りが燃える音が弾ける。

寒い時期の乾燥した風邪か舞う。赤い火が風に吹かれて時々あがる。

浄化された煙が空へと向かっていく。

毎年この時期にある、正月飾りを燃すイベントが好きだ。

雑多に沢山の人が集まり、他人同士身を寄せ合い、『あったかいね』と火を眺めたりする。

たまに何かが弾けた音がして、他人同士で驚いたり笑い合ったりする。

寒いからこそ、きっと身を寄せ合って。

寒いからこそ、なんだか笑って。

寒いからこそ、『寒いねぇ』と共感して。

ぱちぱちと、木々や枯れ葉や正月飾りが燃える音が弾ける。

今年もようやく正月気分に区切りをつけて、さあやりますか、と腕をまくる。

皆のそんな姿を、立ち上る煙の中で想像した。

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1月14日はどんと祭の日!どんと祭の日をテーマに書いたフラッシュ・フィクション。毎日『今日は何の日?』をテーマにショートショート書いています。–

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テーマの著者 Anders Norén