365文

365日ぶんの、フラッシュ・フィクションたち。

ドラマ『ロングバケーション』を見た!仕事に悩む30代女性に

ロングバケーションをみた。

昔、子供の頃にたぶん何度か見たと思うが、さほど興味が無かったのと、そもそも『ドラマ』に興味があまりなかったのでほぼ見た事がなかった。

と言うか、『恋愛』に興味が沸く前だったかもしれない。

どこか『恋愛』はしてはいけないもののような気がしていた時期だったと言うのもある。

それが、昨日の夜に見た。

一気に7話ほど見た。

ロングバケーションあらすじ byねこ

木村拓哉が演じる『瀬名』と、山口智子が演じる『南』が織りなすラブストーリー。
物語は『南』の結婚式当日から始まる。婚約者が失踪し、婚約者の住む家へ花嫁衣装である白無垢を来たまま家へと辿り着く。しかしその場に婚約者の気配は無く、既に引っ越したとの事。
ルームメイトである『瀬名』に事情を聞き、呆然とする南。結局破局となる南だが行く宛てが無く『瀬名』の家へと押しかける。
南は相手が7つ年下の男だと知りながらも、男が出来るか仕事が決まったら出て行くと押し通し一緒に住み始める。

ドラマ『ロングバケーション』を見た感想

あれがそんなに昔のドラマのような気がしない。

オープニングの映像や、音楽や、会話の内容、住んでる家、設定

昔の質感は残っているものの、さほど古さを感じない。

唯一、女性のファッションは時代を感じる。

女性のファッションは流行が早い分、時代時代を象徴すると思う。

男性のファッションは、ベースとなっているアイテムが少ない分、あまり違いを感じない。

一気に7話見るくらい面白かった。

ストーリーの展開が面白い。

何せ私は『年下男性』と『年上女性』と言う関係の設定が好きなのもある。

ついでに見ていくうちに解ったのだが、主人公の女性は31歳だった。ちょうど私と同じくらいだ。

自分の年齢と主人公の現実がリンクしたように感じた。

女性の人生の岐路は、30を越えると来る?

主人公の女性は徐々に仕事がうまくいかなくなり、とうとうクビになってしまう。転職しようとするが、その年齢と経験不足のせいで採用してもらえない。

若さと勢いで乗りきって来た若い時代。しかし年齢があがるにつれ、同じような感覚では何も出来ないという現実を突きつけられる。

転職すると言っても宛ても無ければ技術も無い。男っぽい性格と底抜けに明るいキャラクターだけが救いだが、それもさすがに限界があるらしい事を知る。

そして、瀬名に『お休みなんじゃない』と諭される。

その言葉に納得した南。『ながいながーいお休み。ロングロングバケーション!』

仕事・人生に悩む30代女性に見て欲しい!

人生の岐路はやはり30を越えると来るものなのか、と思った。女性の方が厄年の機会が多いのは結婚、出産などがあり、転換する機会が多いと誰かから聞いた気がする。

ある程度の時代が変わっても、人間は同じようなことに悩んで、同じようなことで行き詰まり、同じように乗り越えていくのかもしれない。たぶん世界に『仕事』と言うものがある限り。

主人公の南は、30代という年齢もあり、仕事が今までのようには行かなくなって、楽しいばかりではダメなんだと、少しずつ理解していく。

年齢に悩んだり、恋に悩んだり、仕事に悩んだり。そんな、悩める30代女性にこそ、響くドラマじゃないかなぁと思った。

主人公の女性は、足の爪にマニキュアを塗りながら言う。

『わたし、嫌なことがあったときとか落ち込んだ時、ペディキュアとか塗るんだぁ。そうすると、気持ちがすーっと落ち着く気がするの』

セリフは今のうろ覚えだから正確では無いが、そんなような事を言った。

それを聞いて私はハッとする。

私は、嫌なこととか落ち込んだときに、自分の気持ちを落ち着かせる術を知っているだろうか?

いや、知らないかもしれない。

最近になって、私は自分の感情をきちんと受け止めようとしている。

30代の自分とドラマの『南』を比べて

昔は自分の感情なんてさほど無かった。最初から諦めていて、現実世界をどこか『よそ』と区切っていた節があった。

自分の思い通りに行かない人は『この人は何かがあって悲しいのかな』とか『過去にトラウマがありそうだぞ』なんて観察するクセがついていて、正面から当人とぶつかりあう気が最初から無かった。

『よくそんな風に考えられるね』と言ってくれる人さえいたから、私はその言葉を誉め言葉だと受け取っていた。

ときどき『スレてるねぇ』と表現される事もあったが、自分で自分のことを『スレてる』なんて微塵も思ってなかったので、『私はこんなに素直なのに』と返答した事さえある。

そんな私は自分の感情を思い出すようになり、自分自身と真っ正面から向き合ってみると、どうだろう。

とうてい自分ではコントロール出来なくて大変だ。

悲しい時は悲しいし、嫌な気持ちになったりモヤモヤしたりする時はいつまでも引きずってしまったりもする。

昔の自分であれば、そう言った人の事は『いつまでも引きずってしまうタイプの人なんだな』と観察していただろう。

嫌なことがあった時、悲しい事があった時、怒ったとき、どうすれば自分の気持ちが落ち着くのか。逃げずに受け止められるのか。

今までは『私がこうしたら良かったんだ』と反省する事が多かった。自分の態度を変えることで、相手の態度さえもコントロールしようとしていた。しかしそれを繰り返していたら自尊心がどんどん無くなっていった。
『どうせ私が全部悪いんだ』といつの間にか自分で自分を虐めていた。
自分に自信が無くなって、自分がなんなのかも良く解らない。

今日あった私の出来事

今日はカフェに来てカフェラテを注文した。一番大きいサイズのカフェラテだ。

待っていたら程なくして用意された。他に待ってる人は居なかったし、店員がカフェラテと言ったから当然私のモノだと思った。
それを受け取った瞬間、一番大きいサイズでは無さそうだと気がついた。そこで私はすぐに諦めた。
『ああ、またミスされたのか。』ミスは誰にでもあるし仕方がない。入ったばかりっぽい新人らしい店員さんが不慣れな笑顔を見せる。

『いいや、しょうがない・・・』

自分のテーブルへ持ち帰ったもののモヤモヤする。『やっぱりこれ一番大きいサイズじゃない気がする・・・』

店員に伝えようかどうしようか悩んでるところで、カフェラテのラージサイズをご注文のお客様、と呼ばれた。

『もしかしてアレは私の?』

たしか私の直前に注文してた気がする女性が、どこからともなく出てきて、カウンターへ近づいた。そしてカフェラテを受け取る。そしてまた『カフェラテのラージサイズをご注文のお客様』
その後も3回ほど店内へ呼びかけた。

受け取ったカフェラテに、私はまだ口を付けていなかった。サイズが違うらしいカフェラテに、飲む気になれずに飲んでなかったのだ。

新人らしい店員さんは、遠くにいる私の苦笑いに気がつくも、何かを発言する気は無いようだ。

『すいません、もしかして・・・』とうとう私は意を決して声を掛けた。

店員さんに私から自白する。

『すいません、さっきカフェラテを受け取ったんですが、もしかしたらサイズが違ったかも』

やはりサイズが違ったらしい。結局のところ、最初に受け取ったカフェラテは返却し、正しいサイズのカフェラテを受け取った。

『ごめんなさい。私まちがって違うの受け取っちゃって…。』

こちらの店員さんは気配りが出来るタイプらしい。こちらこそ申し訳ございません、と、配慮の効いた笑顔で謝ってくれた。

その後は店員同士で『ごめんね、私のオーダーが悪かったかも』なんて反省会をしていたようだ。

モヤモヤしていた自分は、つくづくバカだなぁと思う。もっと早く『コレってラージサイズ?』って最初から聞けば良かったのに。

自分に自信がないのと、自分が我慢すれば物事が何事もなく片付く思ったり、自分から言って相手を傷つけたくないだとか、嫌われたく無いとか、そう言った事をあれこれ考えてしまう。

まあそんな時もあるさ、と気楽に構えて、適当にやっていけば良いのに。

ロングロングバケーション。

神様がくれた私の休息。

今は頑張らずにお休み。

きっと自分を見つめ直すタイミング。

そのうち良いことあるさ。

そのうちきっと、良い方向へ転がり始めるさ。

---スポンサーサーチ---

次へ 投稿

前へ 投稿

© 2024 365文

テーマの著者 Anders Norén