365文

365日ぶんの、フラッシュ・フィクションたち。

福の日

紀文の伊達巻きが好きだ。

親の影響というのはどれほどなのだろう。

〝3歳までに脳の80%が完成する〟なんて言われたりする。

生まれた瞬間、親の影響が100%だとして、それから3歳までの間にどれほど薄まるのだろう。

気づいた時には、正月は必ず〝紀文の伊達巻き〟だった。

何の疑問も抱かず〝キブンノダテマキ〟という食べ物があると思っていた。

パッケージなんてまともに見たことは無かった。

正月には、布団のないこたつ机でただ食べ物が出てくるのを待つだけ。(笑)

〝紀文〟という会社が作っている〝伊達巻き〟だと言うことは、随分あとになってから知った。

〝伊達巻き買わなきゃ〟という母の買い物に付き合っていた時、そこで初めていろんなメーカーが伊達巻きをつくっていたことを知った。

一度違う伊達巻きを食べたことがある。〝紀文の伊達巻き〟が売り切れで並んでなかったから。
まぁ伊達巻きなんだから、そんなに味は変わらないんだろうと思ってひとくちぱくり。

〝……ちがう!!!〟

あぁ、いつも食べてたのは〝紀文〟の伊達巻きだったんだ、とそのとき驚いた。

考えてみれば当たり前なのだが〝キブンノダテマキ〟が、当たり前に正月に出てくる〝キブンノダテマキ〟すぎて疑問に思わなかったのだ。

カルチャーショックに近いくらいの驚き。嫌な気はしなかったんだけど、〝ああ、そりゃそうか!!〟という納得と〝なんで今まで気づかなかったんだ?w〟という位、盲信していた事に笑えた。

ちなみにここらで一応言っておくがステマでは無い(笑)

いや、紀文の伊達巻き、好きだから売れたら嬉しいんだけど。

ずっと無くならないでほしいなぁと思う。
それは本当。

紀文のホームページ:お正月のいわれ

せっかくなので:紀文のホームページです

紀文が制定した〝福の日〟です。


さてなんでこんなに紀文の話をしているかと言うと、12月29日は紀文が制定した〝福の日〟なんだそうな。

2(フ)と9(ク)で、福(ふく)という語呂合わせなのだそう。

お正月によく食べてた〝紀文の伊達巻き〟。
やっぱりお正月には食べたくなる〝紀文の伊達巻き〟。

母が作ってくれてた訳ではないのだけど、これも〝母の味〟なんだなぁと思う。

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