365文

365日ぶんの、フラッシュ・フィクションたち。

期待された人になっていく/呪いの言葉

今日は、ちょっと気持ちが落ち込んでいる。
連ねて、吐き出したくなってしまったこと。

冬だから遅刻しがち

フルタイムのアルバイトで、時間給で働いている。

うちの会社はフレックスを導入していて出勤時間はそれぞれ2時間前後のズレがある。

私の隣には後輩(年下)の社員がいる。
彼女は会社のすぐそばに住んでいる(会社が家賃をいくらか負担している)ので徒歩で通勤している。

一方わたしはというと、バイトという立場で家賃の負担は無く、一時間以上掛けて出勤している。

都会あるあるかと思うが、2種類の路線の電車を使い出勤している。

早めに家を出ているのだが…、朝という事もあり、どうしても遅れがちだ。
しかし私は時間給であり、直属の上司の出勤時間は一時間後、という事もあり、あまり急がずに出勤している。

冬という事もあり、なかなか布団を出れず、二本ほど電車を遅くすると…、その差十分程度なのだが、なんだかんだで出勤時間までに間に合わない。

そんなことが最近頻発していた。

『何時出勤なんですか?』


となりの社員は徒歩で出勤しているため、イマイチ電車事情に疎い。

私が遅刻しがちなのは、最近よくあること。
一応自分の中では『今日は間に合うはずの電車に乗ったのに事故があって遅刻した』とか『いつもより一本遅いのに乗って、ギリギリ間に合わなかった…』とかイロイロあるのだが、後輩はそんなの知る由も無い。

前述した通りフレックスを導入しており、それぞれ二時間前後、出勤時間がズレている。
後輩に悪気はないと思うが『何時出勤なんですか?』とついに聞かれてしまった。

9時だよ、と伝えたものの彼女の表情は浮かばれない。
『いつも過ぎてるじゃん』と言わんばかりの不思議そうな表情。(※言っては無い、これは私の妄想だ。笑)

悪いのは完全に私なのだが、勝手に想像して勝手に傷ついてしまった。

一応『電車が遅れる』という事と、『一時間半以上前に家を出てる』という事は伝えた。その時彼女は『そんなに早く出てるんですか!』と同情してくれた。

ありがたい事だ。

『あれっ?私遅刻ですか?』


そんな最中、さすがに頑張って早く来なくては、という気になった。笑

後輩に示しがつかないという気持ちもあった。

それでいつもより早く着いた。余裕しゃくしゃくで着席して出勤もクリック済みだ。

暫くして彼女が到着すると、第一声は『あれっ私遅刻ですか?!』だった。

……がっくり来てしまった。

このガックリ、がどうゆう事か分かるだろうか?
私はもともと考えすぎるクセがある。
無駄に色々勘ぐってしまうのは良くない事だとは思うが、人の顔色を読んで生きるのが処世術として身についてしまったのだから今更直すのは難しい。(それを変わろうと思って最近は努力しているのだが)

『あれっ私遅刻ですか?!』は、
いつももっと遅くに来るはずの私がすでに居たから、自分が遅刻だと思った、という事だ。
悪意はないし他意は無い(と、思いたい。笑)だろうが、これがまた私には結構刺さった。

彼女にとっては、いつもは自分よりも遅くくるはずの先輩が来てるのだから、自分が遅刻したのかもしれない、と思ったのだと思っただけだろう。

が、……案に『今日は早いんですねえ』と言われてるような気持ちに勝手になってしまった。

『いつもは、もっと遅いですよね』と言われてるような気持ちになった。(※コレはただの事実だ。)

そこには、どこか『もっと遅く来て欲しい』という期待すら感じてしまった。

呪いの言葉


一度『そう思われてるんだ』と考え始めると、私の被害妄想は止まらない。笑

念のため書くが、そもそも私が悪いのだから彼女に非はない。

『いつもは、もっと遅いですよね』と言われてるような気持ちになると、

『早く着いたら着いたで、今日は早いですねえ、なんて言われる』という気持ちになってくる。

何度も言うが、遅刻する私が悪いだけの話である。(笑)

……何が言いたいかって言うと、
呪いの言葉って言うのは、案外すぐ近くにあるってこと。

何気なく言われた誰かの言葉が、いつまでも心に刺さって毒針のように、ジワジワと染み込んでいく事ってあるよねって話。

……しかし最近は三十路を過ぎて体調も芳しくないことが多々あるので、私は今後も、ちょくちょく遅刻するだろう。

……解っちゃいるのだ、どう考えても、遅刻する私が悪い。

おわり。

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