365文

365日ぶんの、フラッシュ・フィクションたち。

カフェが好き。

カフェが好きだ。私をいつでも受け入れてくれて、時に邪魔をされ、時に邪険に扱われるカフェが好きだ。

カフェでの居心地は、立地もさることながら、もっと重要なのは自分の周囲に座ってる人に準拠する。

例えば隣に延々と誰かの悪口を続ける人が座れば、とたんに居心地が悪くなる場合もある。

パソコンを広げて画面の向こうへ、あーでもないこーでもないと、イヤホンを付けた耳のまま語り続ける人もいる。

雑多になんでも受け入れる『カフェ』という場所が好きだ。

居心地が悪くなれば、私は移動するまでだ。

無論、状況によっては腹が立つ場合もある。

どこのカフェも満席で座れず、ようやく見つけたカフェなのに、10分もしない間に『席が無い』なんて私をターゲットに呟く人が現れた時なんかは最悪だ。

話がスライドするが、私はよく『ターゲット』にされる。
良い意味でも悪い意味でもターゲットにされやすい。

良く言えば話しかけやすい、悪く言えば隙が多いのだろう。

謎のストーンを売りたがる人に声をかけられたり、気づけば外人グループに囲まれていたり(※無論、日本国内で)、初めて来た土地で道を聞かれたりする。

カフェには、隙が多い人が集まるような気がする。

自分だけじゃなく、周りも隙が多い人であるから、私だけがターゲットにされる事があまり無い。

そもそもカフェという場所そのものが、『隙を見せるための空間』なのかもしれない。

あぁ、だから居心地が良いのかな。

みんな隙を見せて、隙だらけで座っている空間。

カフェが好きだ。私をいつでも受け入れてくれて、時に邪魔をされ、時に邪険に扱われるカフェが好きだ。

カフェラテを飲みながら、この隙の多い空間に、沢山身を置きたい、と思った。

私の幸せは、そういった類のものなのかもしれない。

おわり。

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