365文

365日ぶんの、フラッシュ・フィクションたち。

365 SS 9.26

「これ捨てて大丈夫ですかあ?」

と後輩が手に持っていたのはフロッピディスクだった。

薄く平べったい、およそ正方形の黒い物体。金属の金具のようなパーツが付いている。

後輩はそれを逆さに持っている。思わず「逆だよ」と言ってしまったが後輩にはどうでも良いことか。

「逆?」
「持ち方、上下が逆」
「逆とかあるんすか?」
「あるある。そっか知らないのか」
「知らないっすね。なんすかコレ?」
「それはなー、えーとUSBみたいなもんだな」
「えっコレがっすか?」
「そうそう、その金属んとこを入れるんだよ」
「えっ?これどこに入れるんすか?入らなくないっすか」
「あー、ワープロだからな」
「ワープロ?」

内心、おお〜、と思ってしまった。そうかあ、もうワープロそのものも知らないんだなあ。

ワープロかぁ〜、懐かしいな。

後輩の頭上にはクエスチョンマークが沢山浮かんでいる。

ワープロかあ。懐かしいな。

End.

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