「今日は遺品整理の日」
「・・・なんで?」
「きょうはクイックだから」
「クイックって、早いって事?」
「そう」
「早く遺品整理しようってこと?」
「そう!」
「え・・・それってなんか微妙じゃない」
「そんなことないよ!」
「なんで?早く忘れろってことでしょ?忘れないほうが良いんじゃないかなぁ」
「そうねぇ。そういう時もあるけどね。」
「えー?なんか他に理由はある?」
「世の中には、忘れたくないひともいるのよ」
「忘れたくない人?」
「そう。もういないって解ってても、忘れたくない人」
「忘れない方がいいんじゃない?」
「うーん。でもね。故人は、覚えていても、忘れていても、もう帰ってくることはないのよ」
「そんなの解ってるけど」
「遺品を整理することでね、わたしは、時間が止まった人には、進んで欲しいと思ってるの」
「時間がとまったひと・・・」
「そう。進めなくなってしまった人。」
「なるほど・・・」
「九月はお彼岸でしょう。月が丸くて、綺麗なの。」
「うん。」
「でもね、故人を偲ぶには、淋しすぎるの」
「うん・・・」
「だからね。早く整理して、進んで欲しいの」
「そっか。
「・・・なんで?」
「きょうはクイックだから」
「クイックって、早いって事?」
「そう」
「早く遺品整理しようってこと?」
「そう!」
「え・・・それってなんか微妙じゃない」
「そんなことないよ!」
「なんで?早く忘れろってことでしょ?忘れないほうが良いんじゃないかなぁ」
「そうねぇ。そういう時もあるけどね。」
「えー?なんか他に理由はある?」
「世の中には、忘れたくないひともいるのよ」
「忘れたくない人?」
「そう。もういないって解ってても、忘れたくない人」
「忘れない方がいいんじゃない?」
「うーん。でもね。故人は、覚えていても、忘れていても、もう帰ってくることはないのよ」
「そんなの解ってるけど」
「遺品を整理することでね、わたしは、時間が止まった人には、進んで欲しいと思ってるの」
「時間がとまったひと・・・」
「そう。進めなくなってしまった人。」
「なるほど・・・」
「九月はお彼岸でしょう。月が丸くて、綺麗なの。」
「うん。」
「でもね、故人を偲ぶには、淋しすぎるの」
「うん・・・」
「だからね。早く整理して、進んで欲しいの」
「そっか。
・・・そうゆう人も、いるかぁ」
夜空はすっかり遠くて、月はぽっかり淋しく浮かぶ。
たしかに、ひとりで見るには寂しすぎるかもしれない。
たくさん食べて、前に進もう。
9月19日は遺品整理の日!遺品整理の日をテーマに書いたフラッシュ・フィクション。毎日『今日は何の日?』をテーマにショートショート書いています。–