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365日ぶんの、フラッシュ・フィクションたち。

365 SS 9.20

バスの日

べつに行きたい所があるって訳でもないんだけど、なんでかバスで出掛けたい日ってある。

それは電車でも新幹線でも飛行機でも来るまでもなくて、バスなの。

9月のバスは、独特なの。

ちょうど夏から秋に変わる中間って感じなの。

空が高くて、夕焼けが淋しくて、夜が明るい。

ころころ変わる天気。

雨の日があったりする。

突然の夕立に見舞われたり。

かと思ったらカラッと晴れたりする。

水溜まりを避けながらバスに乗ると、むんと熱気。

夏の気配がまだ残る車内で、暖房が入ってたり。

雨上がりだから床はびしゃびしゃで、ハイヒールが誰かの傘で濡れて冷たい。

ジメジメ汗かきながらようやく着席して、

今度は冷房をいれたのかやけにヒンヤリしたりして。

そんな秋のバス。

とんぼが最後の力を振り絞って、まるでまだまだ死なないみたいな顔をして空を悠々と泳ぐ姿が窓から見える

べつに行きたい所があるって訳でもないんだけど、なんでかバスで出掛けたい日ってある。

それは電車でも新幹線でも飛行機でも来るまでもなくて、バスなの。

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9月20日はバスの日!バスの日をテーマに書いたフラッシュ・フィクション。毎日『今日は何の日?』をテーマにショートショート書いています。–

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テーマの著者 Anders Norén