見えないくらいがちょうど良いから、ときどき眼鏡なんていらないかなって思う時がある。
「あれ、今日もしかしてコンタクト?」
「うんにゃ、裸眼ー」
「えーじゃあ見えないじゃん?」
「うんまぁ…でも歩けるし」
「ふーん。どんくらい目悪いの?これ見える?」
「見えるよー2本でしょ?」
「じゃあコレは?」
「途中で指変えるてんじゃん」
「おー見えてんのか」
「見えてるわー」
やっぱたまには良いかもしれない、眼鏡しないで、目が悪いままってのも。
「あ、今日も裸眼だ?」
「そー」
なーんて。実はコンタクトをしてみた。初めてのコンタクトだけど、ちょっと驚かせようかと思って。
「・・・」
「眼鏡なしもカワイーじゃん?お前コンタクトにすれば」
…と言ったコイツの視線が、一日中痛くて、実は結構見てたんだなって気がついてしまった。
「おはよー」
「おはよー」
「今日も裸眼だ?」
「今日はコンタクト!」
「あ、そーなの。やっぱ良いじゃん」
…と言ったコイツは、昨日とは打って変わって全然見てない。
(……裸眼ってウソついたら、また見るのかな)
それから『裸眼だよ』とウソをついた事は無い。
もし裸眼だよってウソをついて、マジで見てたらコエーなって、ちょっと思っちゃったから。
「おはよー」
End.