軽快な音楽、騒々しい話し声、盛り上がるテーブル、だだっぴろい空間
そこかしこで楽しそうな笑い声。
煉瓦造りの大きなワンフロアは洞窟のような雰囲気さえある。
どこが外国のような空気感で気持ちも開放的になる。
「おねえさーん!エビスみっつ!」
「はあい!」
ビアホールが好きだ。
このなんとも言えない感情が行き交うこの場所が好きだ。
声を吸い取るような高い天井が好きだ。
グラスにキラリとゴールドのスターが映える。
ビアホールは、みんなの青春だ。
なぜか一瞬だけ、乾杯する瞬間の人たちの笑顔が海賊に見えるのは何でだろう?
「「「「カンパーイ!!!」」」」
笑顔が弾ける。
それぞれにある、それぞれのビール。
今夜も夜が更けていく。
閉店後のしんとした店内で、笑顔が残るこのホールを、静寂と共に片付けている瞬間がまた、実はちょっとだけ好きだったりする。
End.