パイナップルを初めてあげたとき、子供が突然パイナップルを吐き出して今にも泣きそうになっている表情を見て私はぽかんと口を開けた。
「にがい!」
そう言って嫌がる子供をぽかんと暫く見ていたけど、はっと思い出して「水のみな、水!」とお水を渡した。
もしかしてアレルギーかな?と念のため様子を見てみる。一応もう5歳にもなるから、食べられないワケでは無いはずだけど。
暫く観察していると、どうやら身体には問題なかったようで、一安心。
ああ、自分もあんまり食べるほうじゃないんだけど。初めてのパイナップルだったから、きっと少し驚いたんだろう。
そう言えば、と思い出す。
自分も小さい頃って、なんか舌がピリッとする感じがして苦手だったんだよねえ、と思い出した。
やっぱ子は親に似るもんね・・・と思いつつ、パイナップルを頬張った。
今やなんのピリピリも感じない私の舌は、果たして成長したのか、劣化したのか????
「おいしい!」
「・・ん?」
見ると、さっきまで嫌がっていた子供がパイナップルを美味しいと言って食べている。ああ、そうか、これはきっと。
ぱくぱく食べている私を見て、美味しそうに見えたのかも知れないなぁ。
人の事をようく観察してる。そんなところまで、子供ってやっぱ親に似るもんねぇ。
「あんまり無理しないで、ちょっとにしておこうね」
「は~い!!」
8月17日はパイナップルの日!パイナップルの日をテーマに書いたフラッシュ・フィクション。毎日『今日は何の日?』をテーマにショートショート書いています。–