365文

365日ぶんの、フラッシュ・フィクションたち。

365 SS 8.13

例えば突然天地がひっくり返ったらどうなるんだろう。

今日は『左利きの日』らしい。

友人に、『左利きってなんかカッコイイから羨ましい~』と行った事がある。

友人は、最初こそ『そうかなー』と笑ってくれた。そしてつらつらと、左利きだと意外と大変な事が多いという事を教えてくれた。

ノートが書きづらい。
ドアが開かない。
小銭をよく落とす。
ハサミが切れない。

それを聞いて『またまたぁ??』と笑ってしまった。
どれも、子供だって簡単に出来ることだからだ。

そのとき私は、天地がひっくり返ったような気がした。

人間用に作られた沢山のモノが、『右利き用』に作られている事を知ったのだ。

ノートのスタート位置。
ドアノブの動く方向。
小銭を入れる位置。
ハサミの刃がついてる方向。

まさかそれらに『使いづらさ』を感じてる人がいるなんて思わなかったのだ。

例えば突然世界が歪んだらどうなるんだろう。

天地がひっくり返ったらどうなるんだろう。

天地がひっくり返ったら、人間は逆立ちして歩く事になるんだろうか。

無限の空に落っこちる恐怖を覚えるんだろうか。

『左利きは天才肌が多い』と聞く。

大半の人に見えてないものが見えているのだから、色んな角度から物事を見ることが出来るのかもしれない。

End.

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