365文

365日ぶんの、フラッシュ・フィクションたち。

365 SS 7.30

梅干しを一粒食べると、そのしょっぱさに、なぜかやたらと悲しくなってきた。

いや、なぜかやたらと、ではない。

ホントは理由があって、そんなときに梅干しを食べただけ。

そしたらなんでか、ずっとずっと素直に悲しくなってきて。

口の中の酸っぱさと、悲しさのすっぱさが、合わさって混ざってもっとずっと悲しくなる。

ひとりポロポロ涙をこぼして。

食卓の前に座りながら。

しくしく悲しく泣いている。

誰も助けてなんてくれないけど。

梅干しが、私に寄り添ってくれてる気がした。

塩気で舌の上がビリビリする。

しゃくりあげて、ひっくと声を出して。

それでもほんのすこし、悲しさが紛れた。

梅干しが、私に寄り添ってくれてる気がした。

---スポンサーサーチ---

★月★日は★★★の日!★★★の日をテーマに書いたフラッシュ・フィクション。毎日『今日は何の日?』をテーマにショートショート書いています。–

次へ 投稿

前へ 投稿

© 2024 365文

テーマの著者 Anders Norén