梅干しを一粒食べると、そのしょっぱさに、なぜかやたらと悲しくなってきた。
いや、なぜかやたらと、ではない。
ホントは理由があって、そんなときに梅干しを食べただけ。
そしたらなんでか、ずっとずっと素直に悲しくなってきて。
口の中の酸っぱさと、悲しさのすっぱさが、合わさって混ざってもっとずっと悲しくなる。
ひとりポロポロ涙をこぼして。
食卓の前に座りながら。
しくしく悲しく泣いている。
誰も助けてなんてくれないけど。
梅干しが、私に寄り添ってくれてる気がした。
塩気で舌の上がビリビリする。
しゃくりあげて、ひっくと声を出して。
それでもほんのすこし、悲しさが紛れた。
梅干しが、私に寄り添ってくれてる気がした。
★月★日は★★★の日!★★★の日をテーマに書いたフラッシュ・フィクション。毎日『今日は何の日?』をテーマにショートショート書いています。–