365文

365日ぶんの、フラッシュ・フィクションたち。

365 SS 6.26

なーんも考えず、空を見上げてぼんやり。

夜風がときどきびゅうと吹いて、顔に当たってひんやり涼しい。

「あ、なんか鳥?」

「え?どれ」

「あれあれ、あそこ……、あ、行っちゃった。」

「あ~。」

会話がなくなって。

だけどべつに、そんなに一生懸命話題を探さなくてもいっか、って気分になる。

「……これ、温度ってけっこう熱いのかな?」

「うーん……。ふつうは42度とか……?」

「あ~。じゃあ家よりは熱いか」

ときどきびゅうと風が吹いて、顔に当たって気持ちがいい。

ぽつりぽつりとなにかしゃべって、なんにも話すことなくてもべつにいいかって。

ただ同じ時間を過ごしてるってだけで充分かって。

そう思うのは、やっぱり夜空の曇り空を見上げて、自然を感じるからなのか、開放された気持ちになるからか。

「……そろそろあがる?」

「……うん。」

じんわり温まる体と、はだかの付き合い、飾らない素の自分。

露天風呂って、なーんか、面白いよなぁ。

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6月26日は露天風呂の日!露天風呂の日をテーマに書いたフラッシュ・フィクション。毎日『今日は何の日?』をテーマにショートショート書いています。–

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