なーんも考えず、空を見上げてぼんやり。
夜風がときどきびゅうと吹いて、顔に当たってひんやり涼しい。
「あ、なんか鳥?」
「え?どれ」
「あれあれ、あそこ……、あ、行っちゃった。」
「あ~。」
会話がなくなって。
だけどべつに、そんなに一生懸命話題を探さなくてもいっか、って気分になる。
「……これ、温度ってけっこう熱いのかな?」
「うーん……。ふつうは42度とか……?」
「あ~。じゃあ家よりは熱いか」
ときどきびゅうと風が吹いて、顔に当たって気持ちがいい。
ぽつりぽつりとなにかしゃべって、なんにも話すことなくてもべつにいいかって。
ただ同じ時間を過ごしてるってだけで充分かって。
そう思うのは、やっぱり夜空の曇り空を見上げて、自然を感じるからなのか、開放された気持ちになるからか。
「……そろそろあがる?」
「……うん。」
じんわり温まる体と、はだかの付き合い、飾らない素の自分。
露天風呂って、なーんか、面白いよなぁ。
6月26日は露天風呂の日!露天風呂の日をテーマに書いたフラッシュ・フィクション。毎日『今日は何の日?』をテーマにショートショート書いています。–