ぺりぺりぺり・・・
点線に沿ってひっぱり、堅めのラベルで留められた封を破く。
弾みで転がり落ちるパーツを拾い、ガラス瓶を地面へ置いた。
キン、とガラスがアスファルトに擦れる音が響く。
パーツを瓶の飲み口へ乗せ、片手でくびれを握り直す。
ひんやりした瓶が既に汗をかいている。
キンキンに冷えたガラスが手に冷たい。
飲み口にあてたパーツへてのひらをあて、ぐっと力を込めた。思いのほか堅い封がググッと力む。すぐにやり直して今後は自分の全体重を手のひらに乗せるように圧を掛けた。
プシュゥ!と勢いよく空気が散る。ぶくぶくと炭酸が溢れ出して瓶を持ってた手をぬらす。「うわうわ」と笑いながらもう片方の手は濡れないように逃げて、前傾姿勢でやり過ごす。
服が濡れないように数秒待って、ようやく一口。強炭酸が喉に響く。すぐさま二口目、グビグビと喉ごしをを楽しんで口を離した。
「ップハッ!」
一気に減った液体でビー玉がカチンとガラスへあたる。
見上げれば晴天。時期はまだ早いけどじんわり汗をかいて思わず、
「っアツがナツいぜっ!!!」
と主張した。
「行くよ」
無視するようにスタスタ歩く背中を見て走り出す。「いっちょやりますかぁ〜!」祝日と言えども容赦ない部活にふたりは向かう途中だ。坊主になったひとりの頭を撫でると、もうひとりが「っぉおいっ!」と言いながら追いかけた。
End.