街でやってた福引き。三回目で大当たりをして派手に鐘を鳴らされた。
『お嬢ちゃんおめでとう!!1等あたりだ!!』
1等の当選商品はビール1ケース。『っわ~ありがとうございます!!!』お礼を言ってお辞儀をして景品を貰った。
さすがに手では持てないからカートに入れてガラガラと車まで持ち帰る。
実を言うと、私にとってこういったことは珍しい事では無い。
理由はよく分らないけれど、私は『アタリ体質』なのだ。
そのときパチッと、通りすがりのお爺さんと目が合ってしまった。
『お~お嬢ちゃん!そのビール、一人で飲むんかい?!』
しまった、と思いつつ、『いや~さっき福引きで当ったの~』と返事した。
私はアタリ体質。アタルという表現が合うか解らないが、何かとにかく色んなモノを『引き寄せる』。
『おお~~~そうかいそうかい!アレって本当にアタリがあるんやなぁ~~』
『ねえ。私も、あたりっこないって思ってたんだけどね~~』
お爺さんは『すごいなぁ~~~そうかいそうかい!』と笑いながら去って行った。
・・・良かった、セーフ!
無事に家までついて、買い物袋を両手に持って車を閉めた。ビールを持つのは重いから明日にしよう。
家に帰り袋のモノを取り出していると旦那が帰ってきた。
最近の旦那の趣味は料理。私が作ろうと思っていた夕飯を、旦那が作ると言い始めた。
じゃあお願いしようと言うことでメニューは野菜炒めに変更になった。
ささっと作られ夕飯。いただきまーすと声を揃えて夕飯を食べる。
『そう言えばさ、今日福引き当ったの』
『お!!またか~~~ホントに良く当るな~~!何が当ったの?』
『それがさあビール1ケース!!だから暫くビール買わなくて済むよ!』
やったな!と笑いつつ、作ってくれた野菜炒めをパクリ。
。。。とその瞬間、ガリッと奥歯にあたって(またか!)とティッシュを一枚取った。
『あれっ、ごめん、なんか入ってた!?』
『あー、キノコの石づき!まあ良くあるから』
石づき、という単語を知らないらしい旦那は頭上にハテナを浮かべている。
理由はよく分らないけれど、私は『アタリ体質』なのだ。なんでもかんでも、本当に良く当る。
良いも悪いも、なんでもあたる。理由はよく分らないけれど、私は『アタリ体質』なのだ。
End.