365文

365日ぶんの、フラッシュ・フィクションたち。

365 SS 5.1

私には以前からずっと気になっていた事がある。

〝再燃(さいねん)だよね?〟

いよいよ耐えられなくなったので、そうリプライ(返信)してみた。

数秒経ち、新たなツイート(つぶやき)が増えていく。

彼女達は変わらず趣味について語り合っている。

どうやら私のツイートは無視されたようだ。

うーん、気になる。

自分でも良くないとは解っているんだけど、一度気になると仕方が無くなる性分なのだ。
無視された事に腹が立っているのかもしれない。

〝前から気になってたんだけど、再熱(さいねつ)って言葉って、再燃(さいねん)が正しいよね・・・?〟

とうとうそうツイートしてみた。

〝あ、わかるwじつは私も気になってたんだよねー〟
〝再熱って使ってる人いる?〟
〝え、マジかー知らなかった!〟

様々な返信が来て、自分が正しかったのだと解って一気に嬉しくなった。

しかし、当初注意した友人達には届いてないのか、間違ってた事を認めたくないのか。
相変わらず趣味の話を続けるばかりで返信は無い。

自分でも良くないとは解っているんだけど、一度気になると仕方が無くなる性分なのだ。
うーん、気になる。

そんな中、新たな燃料が投下されてしまった。

〝取り付く暇がないよね~〟

いやいや、取り付く暇じゃなくて取り付く島でしょ。

〝取り付く島がない、だよw〟

そんなのも解らないのか、という気持ちもあった。
だけど親切心もあった。誰にも注意されないよりは良いかと。

〝どうしたの?なんか今日イヤなことでもあった?〟

・・・いやいや・・・。イヤなことでもあった?ってどうゆう事だ。
私の機嫌が悪いから、つっかかってるとでも言いたいのか。

まったく自分が注意された事を棚に上げて・・・。

〝細かいんだけど!〟

結局そんな風に言われて会話は終わった。

自分でも良くないとは解っているんだけど、一度気になると仕方が無くなる性分なのだ。

自分の正しさを貫こうとすると、相手を非難する事になる。

別にそんなつもりじゃなかったんだけど。

でも、相手のことをバカにしたい気持ちがあったのも確かだ。

解っちゃ居たけど、私って嫌なヤツだな。

そんな事を考えて、『自分の正しさを押しつけるのも良くないな』と反省した。

〝ごめん〟と素直に謝った。

〝ううん、私こそ、なんかごめんね。〟

人付き合いとは、そうゆうものだ。

End.

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