365文

365日ぶんの、フラッシュ・フィクションたち。

365 SS 4.24

植物は何でも知ってるし教えてくれる。

水が足りなければ葉は萎れていくし、

土が悪ければ枯れてしまう。

環境があえばスクスクと根を伸ばす。

すぐに沢山葉をつけるモノもあれば、何年も時間をかけて少ししか伸びないモノもいる。

それぞれがそれぞれ、違うスピードで生きている。

自分の時間を生きている。

「私、向いてないんです」

「そんな事ないよ。大丈夫。」

「でも……」

「大丈夫だよ。ゆっくりで良いんだよ。」

それぞれがそれぞれ違う葉っぱなんだから、それぞれがそれぞれ、自分のペースで生きれば良い。

「……でも」

「うん」

「この仕事が、やりたいんです」

「うん。」

植物は何でも知ってるし教えてくれる。

進みたい方へ進めば良い。

それぞれがそれぞれ、違うスピードで生きている。

自分の時間を生きている。

合わなければ、逃げてしまっても良い。

公園のすみのベンチ。目に映る青々と茂る草木。風が吹いてサワサワと葉がなびく。

春に沢山芽を出して、もっともっと大きく。

「……植物って、綺麗ですね。」

「そうだね。」

育ち盛りの青い緑は、まだまだ美しく伸びていく。

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4月24日は植物学の日!植物学の日をテーマに書いたフラッシュ・フィクション。毎日『今日は何の日?』をテーマにショートショート書いています。–

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テーマの著者 Anders Norén