植物は何でも知ってるし教えてくれる。
水が足りなければ葉は萎れていくし、
土が悪ければ枯れてしまう。
環境があえばスクスクと根を伸ばす。
すぐに沢山葉をつけるモノもあれば、何年も時間をかけて少ししか伸びないモノもいる。
それぞれがそれぞれ、違うスピードで生きている。
自分の時間を生きている。
「私、向いてないんです」
「そんな事ないよ。大丈夫。」
「でも……」
「大丈夫だよ。ゆっくりで良いんだよ。」
それぞれがそれぞれ違う葉っぱなんだから、それぞれがそれぞれ、自分のペースで生きれば良い。
「……でも」
「うん」
「この仕事が、やりたいんです」
「うん。」
植物は何でも知ってるし教えてくれる。
進みたい方へ進めば良い。
それぞれがそれぞれ、違うスピードで生きている。
自分の時間を生きている。
合わなければ、逃げてしまっても良い。
公園のすみのベンチ。目に映る青々と茂る草木。風が吹いてサワサワと葉がなびく。
春に沢山芽を出して、もっともっと大きく。
「……植物って、綺麗ですね。」
「そうだね。」
育ち盛りの青い緑は、まだまだ美しく伸びていく。
4月24日は植物学の日!植物学の日をテーマに書いたフラッシュ・フィクション。毎日『今日は何の日?』をテーマにショートショート書いています。–