365 SS 3.13

「いらっしゃいませー。ただ今サンドイッチを期間限定で移動販売しておりまーす」

「おっ、サンドイッチか……腹減ってきたし、ここで買っておくか。他に店もなさそうだし。」

「サンドイッチを販売しておりまーす」

「すいません。えーと、BLTサンドひとつ」

「……?!(二度見)」

「……、な、なんだよ。まあいいや。BLTサンドちょーだい。」

「び、BLサンドですか?!」

「は?いや、BLTサンドだよ。あるだろここに。コレそうだろ。ポップで書いてあんだろ?これ一個ちょうだい。」

「BLがポップでサンド?!」

「いやだからBLTサンドだよ。おまえんとこの商品だろ。ちゃんと商品把握しておけよ。」

「いやぁ新人でして。ポップなBLサンドですね!」

「いやなんだよどうゆうことだよ?BLTサンドだよ。この左側にあるやつ!いいから早く売れよ」

「……かしこまりました。」

「ったく……新人をこんな辺鄙なとこに来させるなよ……」

「820円になります。」

「……ん?820?サンドイッチひとつで?セット?」

「……セット?!BLがサンドでポップにセットで頼もうと思ってるんですか?!」

「あーあーあーうるせーうるせぇ!いいやもう、セットじゃなくていいから一個!」

「こちらBLサンドひとつですね。」

「うんだからBLTサンドな。なんだよ一個で820って微妙にタケぇな。なに、こだわってんのこれ?」

「はい!!おこだわりの食材でひとつひとつ丁寧に作り新鮮な卵を使ったマヨネーズそして照り焼きソース」

「ふんふん……」

「新鮮な肉を引き裂きミンチにした」

「うん、ひき肉な?なんだよ肉を引き裂きってヤナ感じだな」

「豚と牛そして鶏」

「鶏?!鶏入ってる商品ある?!ここに?」

「……という感じです。」

「うんBLTサンドには何一つ入ってねぇな……、ホントかよ?鶏入ってそうなヤツここにないけど?」

「ホントです!!伊達じゃ無いんですよ!!」

「お、おう……、なんかすげー勢いで怒ってんな、」

「私が嘘つきだって言いたいんですか?!」

「そ、そんなこと言ってねぇよ。悪かったよ……ハイ、千円な」

ワン!

「!」ビクゥ

「ん……?」

ワン!ワン!

「おっ、犬か。芝犬だな。カワイイな」

「お客様……」(絶句した様子で)

「あ?なんだ」

「申し訳ございませんBLTサンドは現在売り切れで」

「……は?この左下に入ってるやつあんだろ?これだよ?」

「それはウチの富澤にあげる最後の一個で……」

「富澤?なんだよ従業員か?」

「はぁ、まぁ……」チラッ

ワンワン!

「従業員……、なんだよ他にもあんだろ。BLTサンドじゃないとダメなのかよ?」

「こっちのテリヤキサンドには玉ねぎが入ってまして……」

ワンワン!

「……じゃあそっちのチョコサンドもあるだろ。甘くてうまそうじゃねぇか、俺はBLTサンドがいいんだけど」

「いや、チョコはちょっと……、」

「なに、チョコ嫌いなの、ソイツは」

「富澤です」

「じゃあその、富澤はチョコも嫌いなわけ」

「嫌いというか……、まぁチョコっとなら……ふふっ」

「いや面白くねぇよ。なんだよダメなの?……じゃあこっちにあるアボカドサンドもあるだろ。これは?」

「アボカドもちょっと……」

ワンワン!

「……。」チラッ

「俺BLTサンドが良いんだよな…」

「お客様、こちらの新玉サンドはいかがですか?」

「いや、あんま玉ねぎ好きじゃねぇのよ。」

「そうなんですか……でも富澤も……」

「従業員に玉ねぎ嫌いがいるのに何で新玉サンドなんて作ったんだよ。タップリ入ってるじゃねぇか」

「新玉がタップリ……、玉がタップリ、ふふっ」

「面白くねぇよ。何考えてんだよ?」

「失礼致しました、こちらのチョコレートサンドはいかがですか?」

「いやチョコはさぁ……、昼メシなのよ。昼に甘いモンって食べた気しねーだろ」

「しょうがないなぁ。じゃあアボカドサンドは」

「しょうがないってなんだよ…。アボカドあんま好きじゃねぇのよ。」

ワンワン!

「……お客様、……ところでレーズンは……?」

「レーズン?まあ、あんま好きじゃねぇな。」

「まさかお酒は……、」

「飲まねぇけど」

「プッ!!お客様まさか犬ですか?!アッハッハッハッ」

「なんでだよ。犬じゃねえよ!あーもーいいから、めんどくせぇな、いいやもうそのアボカドサンドで。それ売って。腹減ったの!」

「えっ、アボカドサンド?お客様、さっき食べられないって」

「いや好きじゃねーけど食べれなくは無いよ。いいよそれ食うから。富澤も苦手なんだろ」

「あっホントですか!じゃあアボカドサンド、1500円です!」

「たっか!!」

「現地で採取した天然のアボカドが……」

「あーあーわかったわかった、ハイ、追加で千円、これでいいだろ」

「1100円のお返しです。ありがとうございました〜」

「やっす!!400円じゃねぇか!」

「ありがとうございました!!」

「あーはいはい、ありがとさん。頑張れよ。すげー僻地だけどさ。新人なのに偉いじゃねえか。じゃあな」

「ありがとうございます!」

ワンワンワン!

「よーしよし!メシにしような。良かったな、富澤!!」

ワン!!

「やっぱり犬かよ!!!」

End.