先日、電車に乗っていたとき、私は優先席に座っていた。
2駅進むと、家族が乗ってきた。
お父さんは赤ちゃんをだっこして、お母さんはベビーカーを抑えてて、お兄ちゃんはてすりに掴まってた。
少し揺れた拍子に、お母さんが手すりに近づこうと3歩。
私はそれを拍子に、席を立ち離れた。
Mamihlapinatapai!(マミラピンアタパイ)
お母さんはさらに3歩。お父さんへ席を促し、着席する。
お母さんはこっちの手すりを掴んで、ほんのすこし会釈した。
私もほんの少し会釈した。
同じことを考えたりしている二人の間で、何も言わずにお互い了解していること。
ヤガン語ではそれを『マミラピンアタパイ』と言うらしい。
果たしてその言葉がしっくり来ているかどうかは解らないけど、先日の出来事に、そんな言葉を思い出した。