365文

365日ぶんの、フラッシュ・フィクションたち。

アイドルと言えど結局『人柄』を好きになる

アイドルと言っても、私の場合は結局のところ人柄を好きになってる。

例えば、ファッションがダサい人ってのは意外にアイドルに多いと思う。笑

もういい大人なのに、ファッションだけで見たら中高生みたいなアイドルはたくさんいる。

だけどファッションは問題じゃない。そもそも本当におしゃれな人が好きなのであれば、最初からモデルやセンスのいい人を好きになってるわけで。

じゃあなんでアイドルなのか?というと、ファッションやセンスよりももっと重要なものがある。

それが『人柄』だ。

人柄っていうのは、その人を見る機会が多ければ多いほど知ることが出来ると思う。

私の場合はテキストをあまり読まない人間なので、その人の発する雰囲気や空気間やしゃべる間合いなどで、その人の性格や人柄を感じるのが好きだ。

文字は時に嘘をつくし、誰かの手が入って編集されている場合もある。だからわたしは『アイドルのテキスト』はあまり好きではない。

どこまでが本気で、どこまでが冗談で、どこまでが制御されている情報なのか判断が難しいから。

最近のアイドルは、YouTubeなどの動画配信も始まって、よりいっそうその人の『人柄』が見られるようになったと思う。

そうして私は相手の人柄に惚れ込んで、そしてコンサートなどでは、また違った一面を観に行く。

コンサートでは、その人のパフォーマンスだったり、そのときの『一生懸命』だったり、相手の『見せたいもの』、それから『伝えたいこと』を感じにいくのが好きだ。

がんばってるなとか、緊張してるなとか、本気なんだなとか、そういった小さな漏れ出る感情とかを受け取って、そうして自分の体のはしっこでもいい、ちいさなかけらを自分にくっつけて帰ってくるのが好きだ。

もらってきた欠片は、時間をかけて落っこちてしまうこともあれば、いつのまにか自分の体の一部になってることもある。

そうして私の中にちょっとだけ自分の好きなものの考え方や感じ方をインストールして、今までよりもほんのちょっとだけ、自分の大好きなアイドルに近づく。

今までよりも、ほんのちょっと視野の広がった世界になる。

もちろん、視野を広げるのが、アイドルしかないということではない。

マンガだって小説だって映画だって音楽だって、視野を広げるきっかけにはなる。

私の場合は、自分の好きな人から受け取った欠片で視野を広げたいということ。

結局のところ、私はアイドルと言っても、人柄を好きになる。

次へ 投稿

前へ 投稿

© 2024 365文

テーマの著者 Anders Norén