レインボーブリッジを通るとき、遠くまで見渡せる海を渡るとき、『私は今、東京にいるんだなぁ』と感じる。
橋なんて、どこの橋も同じようなもんか、って。私の生まれた地域では、キレイな橋なんてなくて。
山と山を繋ぐ橋だったり、川を渡るための橋。
雨風で被れた、薄い緑色のペンキで塗られた橋。
真っ赤なペンキで塗られた、山を渡る橋。
あるいは、切り取られたような小さな海を横目に、渡る橋。
レインボーブリッジは美しい。
レインボーブリッジから見える海は、ここが東京なんだと感じさせる。
ああ、こんな橋を渡るだけで、私が主役の映画やドラマのようにすら思える。
いや。ほんとは、こんな素敵な橋を渡らなくたって、自分が主役の人生をずっと生きてるハズなのにね。
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ドライブがてら流す音楽。
私は自分に自信が無い。
こんな橋でも渡らなきゃ、自分の人生を生きていると思えない。
きっとそんな弱い人がたくさん住んでいる東京。
いや、弱い人がたくさん住んでいて欲しいと願ってしまう東京。
私はすこしでも、自分の人生を今、生きられているのだろうか。
8月26日はレインボーブリッジ開通記念日!レインボーブリッジ開通記念日をテーマに書いたフラッシュ・フィクション。毎日『今日は何の日?』をテーマにショートショート書いています。–