目を開けると見慣れぬ原っぱ。

斜め向こうに人間がいて『やばい!』と駆け抜けた。

『あ!ネコ!』

し、しまった、見つかった!

慌てて走って逃げるつもりが行き止まりでジリリと後ずさる。

せめて、せめて命だけは…!

『かーわいーい!』

…あ、あれっ?!

ごろな~~ん

--時は平成の終わり。

黒猫が忌み嫌われていたのは、もう過去の話。

End.

Back To Top