365文

365日ぶんの、フラッシュ・フィクションたち。

365 SS 7.9

ジリジリと上っていくときの不整脈。

『標高79m』。

最高の景色。周りにはビルも家もなんにもない、ただただまっしぐらに落ちるだけ、特有のレールと車両に揺らされて内蔵も揺らす振動、落ちるだけの風。

傾斜角度は65度、最高時速130km。

70mの落差を一気に落下。そこまで行くと今度はーー、

上り坂を駆け上がって180度水平にターン。富士山や青木ヶ原樹海がよく見える。

息吐く間もなく右へ傾き、180度Uターンしながら落下する。最大の加重力3.5Gに揺らされて。

車両が傾き90度。地面すれすれを猛スピードで180度ターン、ラストはまるでサーフィンでもしてるかのような爽快感。

『これがジェットコースターだったんだ。』そんな気持ちにすらなる。

あまりの満足感に、思わず感動してスタンディングオーベーション。(※実際には座ってるけど。)

一度味わったらもう忘れられない。

何度だって恋をする。

私にとってはいつまでも、日本一の恋するジェットコースター。

End.

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テーマの著者 Anders Norén