「あ~~~~~~~~~~~、ヒマ」
「あんたね~~~。ほら、掃除機かけるんだからどいて!」
床にゴロゴロ転がってると邪魔もの扱いされるし。かと言って友達と遊ぶ予定もないし。てゆーか友達は海外旅行とかで遊んでくれる子もいないし。
「あ~~~~ヒマだヒマだヒマだヒマだヒマだ~~~~」
「そんな暇なら本でも読んだら!」
「本~~~~?」
「宿題で読書感想文とか出てないの?本を読みなさい本を!」
「え~~~~~~」
掃除機で突かれて、しぶしぶ近くの図書館へ。
まぁね。たしかに読書感想文、宿題で出されてたんだよね。どうせ暇だし。たしかに、さっさと終わらせておくには良いかもしれない。
「・・・。」
本のタイトルだけ眺めながら、適当に本を開いてみる。パラパラめくってみてちょっと読んでみたりして。あ、意外と面白そうな本もあるじゃん・・・。
「・・・。」
「ちょっと~、夕飯!!!」
「んー・・・」
気づくと本に没頭してた。あっという間に本の中の世界へ。
集中すると結構面白い。てゆうかもしかすると、集中することが楽しいのかもしれない。
「どうなの?なんか面白い本でもあった?」
「うん。まぁまぁ面白い。」
「へぇ。すごい集中して読んでたじゃない」
「まあね~。もう半分まで来てるから、明日には読み終わりそう」
「へぇ。あんたって意外と本好きだったのかもね」
そんなことを言われると、ちょっと自分でも意外かもしれない。そっかぁ。わたし、本好きだったのかなぁ?
「まー、たまにはいいかもね・・・。どうせ暇だし」
それから私の夏休みは、あっという間に本と一緒になった。とは言え学校が再び始まってからは、すっかり本とはまた縁遠くなるんだけど。
(まぁ、本って意外と面白い)
そんな事を知った夏休み。
暑い日にクーラーが効いた部屋で読書。うん。意外といいかもしんない。
7月21日はナツイチの日!ナツイチの日をテーマに書いたフラッシュ・フィクション。毎日『今日は何の日?』をテーマにショートショート書いています。–