ベランダで育ててるプランターの茄子。なんだかだんだん弱ってきたみたい。
葉がくてんとしぼんで、「お水が足りないのかなぁ〜?」と呟いた。そばを掛けてた子供が寄ってきて、「お茄子さん元気ない?」と聞く。
葉がくてんとしぼんで、「お水が足りないのかなぁ〜?」と呟いた。そばを掛けてた子供が寄ってきて、「お茄子さん元気ない?」と聞く。
「やっぱりそう見える?水が足りないのかなぁ?」
「ごはんがたりないんじゃない?」
「ごはん?あー、栄養とか?」
「お茄子さんも栄養いるでしょ?」
「栄養かぁ…。たしかに。」
子供と一緒に買い物へ。
スーパーの野菜コーナーで、カゴに入れた茄子を子見て、子供がひとこと。
「お母さんコレお茄子さん?」
「そうよ〜。」
「ベランダにあるのもお茄子さん?」
「そうよ〜。」
「お茄子さんは100円なの?」
「そうねぇ。」
「うちのベランダのお茄子さんは食べないの…?」
「食べるよ〜。茄子の実がちゃんと出来たらね〜。」
「……。」
「どうしかした?」
「だめ!」
「えっ?」
「お茄子さん買っちゃダメ!」
「えー、なんで?」
「うちのベランダのお茄子さん食べるの!」
「うちのベランダのは、いつ実がなるかわかんないよ〜?」
「まつの!」
「待つの〜?」
「お茄子さん出来るまで待つの〜!」
あんまり純粋なくちぶりに、あぁ〜そっか、と納得してしまった。
「そっか。そうだよね。じゃあ、お茄子さんが出来るまで待とうか〜」
「うん!!!」
子供の頃の感覚って忘れがちだけど。
ひさびさに思い出すと、まるで初めて知ったみたいな気になる。
6月17日は 国産なす消費拡大の日!国産なす消費拡大の日をテーマに書いたフラッシュ・フィクション。毎日『今日は何の日?』をテーマにショートショート書いています。–