車に乗り込み、座席の位置を直し、シートベルトを付け、鏡の位置を直し、周囲を確認する。
アクセルを踏み込んでゆっくり進む、左右を確認して駐車場を出る。
それから、FMを付ける。
FMを付けるその瞬間、ふわっと心が浮き上がる。
お気に入りの時間。
そこから流れる音楽たち。会社までの間、私を和ませるひととき。
開かずの扉になる線路も、特段注意を払う交差点の右折も、音楽が流れてるだけで、私の心を和ませる。
流行りの音楽が終わって懐かしいメロディ。
それは誰のための?何のための?
君のための。
End.