健康食品好きの彼女が、また妙なモノにハマったらしい。
「・・・なんだって?」
『だからアーモンドミルク!駅前のコンビニに売ってるから』
「アーモンドミルクぅ?」
そんなもの全然見当たらないし想像もつかない。ヒントが少なすぎて解る気がしない。
「無い」
『うっそ絶対ある!!ぜーったいある!!』
「は~~?どんなの?!どのへんにあんの」
『え~?牛乳パックとか売ってるとこ!250ミリとか500ミリとかの飲み物の置いて有るとこ!!』
「あぁそっち・・・」
電話をしながら移動する。と、確かに目線の高さにあった。アーモンドミルク。
「あーあったあった」
『でしょ?!だから言ったじゃん!』
「あーはいはい・・・」
言われた通り購入し家へ帰ると、彼女が「アーモンドミルク!」と嬉しそうに玄関まで出てきた。
「はいはい」
言われた品を袋から出しつつ手渡す。彼女は「これこれ!ありがとー!」と軽快な足取りでリビングへ向かった。
「なに、それはまた何か身体に良いとか?」
「そう!!美容にいーんだよー」
「ふ~~~ん」
「・・・なに?」
「いや別に」
「何か言いたいんでしょ!」
「・・・いやぁ、な~~にがアーモンドミルクだよ、と思って・・・っイテ!」
言わなきゃ怒りそうだから言ったけど、結局言っても怒るという。理不尽。
アーモンドミルクで健康云々もとより、俺の健康は???
・・・と思った事は言わない事にした。
たぶんまた叩かれるから。
End.