暑い日差しの中で彼女が見上げたペットボトルの先から滴った水滴
透き通った薄紅色の液体が、揺らされた振動で波打った。
ごく、っとこちらまで聞こえてきそうな潔い飲みっぷりに見惚れる
小さな喉仏が何度か揺れて、ググッとペットボトルが減っていった。
「っはぁ〜!!」
CMか、と思わずつっこみたくなるほどの笑顔をこちらへ向けて、「おっさんか」と心にもない言葉を照れ隠しに言った。
「ちょっとひどくな〜い?!?」
ポニーテールを揺らして跳ね回る。プリーツのスカートが揺れる。カバンに付けられた大きなぬいぐるみがジャンプする。
彼女から香った。香水でもシャンプーでも無い、まだ飲みかけのアセロラジュースの爽やかな匂いが。
End.