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365日ぶんの、フラッシュ・フィクションたち。

365 SS 3.18

déjà-vu!

ある日会社に行くと、デスクの上にクッキーが置いてあった。
誰のだろう?と思ったけれど、誰かの食べかけでもなくて封が開いてない。

机の真ん中に、まっすぐ置かれたクッキー。

まるで『あなたにプレゼントです』と言ってるような置き方。

誰かからだとしたら、誰から?

隣の席のひとはまだ来てない。来てたとしても、隣の子からでは無さそうだ。

誰かからのお土産?とも考えるけど、てのひらサイズの小袋に入っているクッキーは、お土産にしては大きい。

だけどプレゼントだと捕らえるには、何の包装もされてないのだ。

まるで、妖精か何かが置いていったみたいな・・・?

どんな妖精がくれたのか、想像してみることにした。

アプリコットの妖精?

それとも、それをジャムにする妖精

もしくは、そのジャムをクッキーに挟む妖精

これはもしかすると、沢山の妖精たちが作った超大作のクッキーだったりして?

なんて考えながら、商品のラベルを眺めた。

ああ、たくさんの妖精たちが、一生懸命 お店から持ってきたクッキーかもしれない。

うんとこしょ、どっこいしょ、って、運んできたのかもしれない。

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3月18日は精霊の日!精霊の日をテーマに書いたフラッシュ・フィクション。毎日『今日は何の日?』をテーマにショートショート書いています。–

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