あるひ仕事に行こうと駅へ行くと、そこには誰も居なかった。
「……ん?」
と言うか、駅そのものがまるで廃墟のようになっていた。と言うか、駅に入ることすら出来なかった。
「え、なに?今日って駅休み……???」
何か公共の休みかと思ってみるが、なにせお国柄の事情に疎いモノで解らない。さてどうするか、電車が無いならバスか、と考えを巡らせてるところで、親切っぽい外人が私へ何か話しかける。
「……。」
正直何を言ってるかサッパリだった。外人はドンマイ!みたいなドヤ顔で私の肩を一度叩き、私は勢いに負けて「センキュー!」とだけ応えた。
なんやかんや外人が言ってたセリフを脳内で再現してみる。たしか声は『ストふんふん』みたいな感じだったな、と思い出したところで、「ストライキか!!」と思いついた。
なるほど外国ではストライキで電車が止まったりもするんだな、と納得した。
妙に貴重な経験をした気になって、日本なんかストライキなんてまず無いもんな、と思いつつ、こんな風に日本もたまにはストライキしちゃえばいいのに、とひとりニヒルに笑ったのだった。
2月24日は鉄道ストの日!鉄道ストの日をテーマに書いたフラッシュ・フィクション。毎日『今日は何の日?』をテーマにショートショート書いています。–