365文

365日ぶんの、フラッシュ・フィクションたち。

365 SS 12.13

正月を迎える準備を始める日。昔はこの日に門松やお雑煮を炊くための薪など、お正月に必要な木を山へ取りに行く習慣があった。

「昔は正月を迎えるために色々したんだなぁ、と。
山に入ってキノコとか山菜を摘んできて、隣人の家へ行き鶏の卵と交換して。
巻きを拾って身を暖める準備もして。
あとは火さえ起こせれば、お金なんてなくなって生きていける。
今じゃなんでもかんでもお金が基本で、持ってなくっちゃ住む場所もない。
山に入って勝手に山菜摘むのにも許可がいるし、不法侵入になっちゃうし。
お金のおかげで発展して、一人じゃ作れない立派な家も立つし凝ったスイーツだって作れる、けど。
これじゃ自由になったか不便になったか、わかんないなあ。

もしかすると、昔の方がずっと幸せだったのかもしれない。

悩む時間なんかなくって生きることに精一杯。そうゆうことが幸せなのかもしれない。

、、、ともすれば、何も考えずにただ生きるために働いてる人は幸せなのだろうか。」

---スポンサーサーチ---

12月13日は正月事始め・煤払い・松迎え!正月事始め・煤払い・松迎えをテーマに書いたフラッシュ・フィクション。毎日『今日は何の日?』をテーマにショートショート書いています。–

次へ 投稿

前へ 投稿

© 2024 365文

テーマの著者 Anders Norén